2004年5月の連休を佐賀県武雄市に遊びました。中でも友人の案内で樹齢3000年と推定されている大楠2本を酔考さんと見てきたことが一番でした。(もちろん今でも続けられている吉野ヶ里遺跡の発掘も見てきました。) 武雄市若木町川古(かわご)の大楠は、日本五位、武雄神社の大楠は、日本七位とのことです。いずれの楠も巨大で圧倒されてしまいました。18才まで住んでいたにもかかわらず当時はまったく興味がありませんでした。数十年を経て改めて訪れてみると心に響くものがあります。材木人間いや木工大好き人間の酔考さんは思わず涙が出そうになったと云うくらい感激されてました。
武雄神社の大楠は、幽玄そのものです。神社の神木としてうっそうとした神社の森の中で厳かに守られており、武士の風格がありました。神社そのものが1200年くらいの歴史があり、古い石垣の上に建てられています。惜しいことに神殿は近年焼失して再建されましたが、神域はまるで山城の風格です。
<武雄神社の大楠 少し薄暗い場所にあります。>
川古の大楠は、開けた平地に土地の住民に親しまれて守られてきた優しい雰囲気を持っています。小学2年の遠足でこの場所に行った記憶が微かにありますが大人になって眺めるとイメージは全く違っていました。 ものの本では高さ25m、幹回り21m、根張り東西南北27mだそうです。
<川古の大楠、綺麗な公園になっていました。>
川古の大楠は、周囲が公園化されていて地元の小母さんが運営する売店や本格的な水車小屋があり大きな水車が小川の水で緩やかに回転しています。水車小屋ではまさにからくりの臼と回転石臼が設置されており、実際に使用されているようでした。 売店のセンベイのように丸く押しつぶした草餅が地元の名物だそうで案内してくれた友人が食べさせてくれましたけど、大変美味でした。 戦国時代の川古の戦い(南北朝時代の戦死者の石塔が公園の片隅に30基程並べてありました。
<水車小屋の中、歯車は全て木製でした。>
そういえば、その昔川古地区には川古温泉という鉱泉があり、おできに効くと云うことで年寄りに連れられ冷たい湯舟に入れられたのではっきりした記憶があります。残念なことに既に閉鎖されたとのことです。交通の便がよくなった今、この大楠とセットで再開すればいい保養地になると思うのですが、いかがでしょうか。そういえば佐賀の古湯温泉は、足下の岩盤から湧く冷たい温泉で有名です。(2004.5.8)
(更にもう一本大楠があります。)2006.2.12
実は武雄の地にはもう一本3,000年の大楠があるのです。久しぶりにゆったり時間をとって武雄を訪問し、宿に歩いて帰る途中この塚崎の大楠を見学してきました。武雄文化会館のすぐそばに落雷のため半分消滅した格好で悠然と立っています。高さ18m、幹周13.6mあり県内三位と立て札にありました。全国でもかなりハイレベルと思います。(53位)?落雷していなければ川古の大楠と同等でしょう。新しく伸びている枝を見る限りかなり元気そうでした。 武雄では山奥でなく、人里に3本も大楠が残っているとは驚異的であり、古来より武雄が豊饒の地であった証明と思います。 大樹に興味のある方は是非この三本をまとめてご覧下さい。車だと半日あれば十分回ることのできる範囲にあります。あらためて我が故郷の豊かさに驚いて帰ってきました。
<塚崎の大楠 根回り18mとのことです。> |
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