からくり劇場らしい報告です。場所は梅ヶ丘の骨董屋です。散歩の途中立ち寄ると、入口に米軍の携帯無線機が転がっていました。映画でよく目にする背負うタイプの通信機です。それだけだったらここに登場しませんが、話のついでに中身を見せてもらったのでご紹介します。通信素子には真空管を使ってありましたので昭和20年代のものかと推定しましたけどよく分かりません。この時代に既に整然とした通信装置を大量生産していたとは、そんな国と4年近くよく戦い続けたものです。
ずらりと並んだ円筒が全て真空管です。18球ありますが、これらは無線装置の下段にある電池を使って駆動されています。1L4、1S5といった球が多用されています。1V仕様?安い球だそうです。 整然と配線された筐体の中を見るとさすがにMIL規格だと感心しました。外観は汚れていましたが内部はご覧のように綺麗です。アルミの円盤のように見えるのは同調用のバリコンです。操作盤のハンドルからバックラッシュがないように二重ギアで駆動されています。初めて見る真面目な製品の中味にすっかり感心してしまいました。
でも、「何に使うの?」という家人の質問に耐えられないのでこんなものは買いません、見るだけです。(笑) 今回は散歩のついでに見かけた携帯電話の元祖をご紹介しました。手元の携帯とこの装置を見比べてください。この装置の数10台分の機能が手元の電話器に入っているのではないかと思われます。この進化をどう捉えればいいのでしょうか。くわばらくわばら(2003.3.16) |
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