既にブログで紹介した 学研の大人の科学から発売された真空エンジンの金色バー ジョンを予約し到着と同時に作ってみました。 ライブスチームと違い、あっという間に完 成してしまい、ホームページの製作ネタにはなりませんでした。それほど枯れた機関で こなれているエンジンネタのようです。私が不勉強で知らなかっただけでした。(汗)
見出しは出来上がった真空エンジン本体です。シリンダーヘッドからアルコールランプ の炎を吸い込み、その熱をシリンダーフィンで放熱すると急速に吸い込んだガスが収縮 し、その気圧と大気圧の差でピストンが引き上げられます。 真空ではありませんが気 圧が薄くなるのです。 このヘッドから炎を吸い込む様からフレームイーター(flame eater)と云われているようです。 ファンはシリンダー冷却用とのことですが、効果の程 はよく分かりません。付属していたファンは角度が浅かったので少し捻っておきました。
これまでのスターリングエンジンと比べて仕上がりはまずまずなのでエンジンとして他に 転用できそうです。 この模型は自動車として仕上がります。エンジンを水平に置き円盤状のギアを回わしま す。その裏側に小さなゴムタイヤを接触しこれをレバーで左右させて接触するお皿の場 所で回転が変化することで変速機になっています。
上は自動車のエンジンとして装着した状態です。アルコールランプの芯が木綿なので ライブスチームの硝子繊維製バーナー芯に変えて見るつもりです。 シリンダーヘッドを 摩擦軽減のために磨きだして見ようと考えています。
このエンジンは、エコネタとして採り上げられてきたスターリングエンジンと対極をなす 動作原理の発動機のようで、スターリングエンジンが気体の熱膨張から力を取り出す のに比べ、真空エンジンは熱放散で気体が収縮することを利用し大気圧との圧力差で 動くエンジンです。 江戸からくりの自動洗盃器・コンストホイテンと親戚の大気圧を利 用したメカニズムです。
たまたま手元にあった独逸の玩具?メーカーのカタログに同様のものが載っていまし た。というか真空エンジンはこのカタログの機械を殆どコピーしたものでしょう。自動車 部分がオリジナル???それはともかく、 fleme eater は1758年Henry Woodという人 が特許を取っていたようです。 Vacuum morter とか Flamelicker という製品名 で300−500ユーロで販売されています。 欧州のからくり玩具は機械文明発祥の地だ けあって様々でカタログを見ているだけでも楽しくなります。 このような機械玩具の根 の張り具合が日本とはちょっと違うようでこの違いがなかなか理系文化への理解度の 低さにつながっているような気がしています。PSPなどのバーチャルなものよりもこの機 械のようなリアルなものの良さを忘れかけている日本です。「何だ玩具か」と片付けず に手先を動かしましょう。 頭でっかちな人が増えるのもむべなるかなです。 このカタログには45mmゲージ用のエンジンとして使った事例もあるのでそれなりのパ ワーもありそうです。 お仲間がきっと機関車に組み込んでくれることであろうと楽しみ です。
ブログには、運転模様は書いておりませんでしたが、起動は簡単です。クックックック というような音とともに炎を吸い込んで回転が始まり、しばらく回っています。が、何かの ひょうしに停止することが多く、排気で炎が吹き消されるのが原因のようです。炎の位 置の微妙な調整が連続運転のコツです。まだコツを会得するには至っておりません が、こんなものでしょう。 フィールドで実用化するには風向きで微妙に変化する炎を覆 うカバーが必須に思えました。安定した炎をいかに機嫌良く食べてもらうか、これが運 転のコツです。まさにフレーム・イーターです。(2007.7.2) |
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