からくり整備工場
既に作業を終えたものの未だに走行試験が終わっていないので評価を下すわけにいかないのであるが、ライブスチームの整備の楽しみを感じ取っていただきたい。
我が鉄道のC622は第三動輪が軽いせいかスリップ気味である。念のために従台車を外した状態で線路に載せてみると3つの動輪全てが線路に食いついている。 ということは現状のままでは従台車に重量が分散しているようである。線路に合わせて軸重調整をしている実物のC622の場合はこれでいいのであるが、模型の場合は粘着力を上げるには車体重量をそのまま動輪にかけるのが好ましく、極論すれば台車はダミーでいいと云う人がいるくらいである。勿論走行性能を考慮すれば、線路の曲がる方向へ機関車を導くという役割があるのでそんなわけには行かない。
2003年製アスターJNR C622は、実によく考えられた機関車であり機能・性能ともに従来の製品を凌駕している。 惜しむらくは石炭炊きと称しつつも石炭で運転されることを期待していない構造である。これがアルコール炊きであれば満点であったろう。 それはさておき、実物同様に軸重配分も申し分なく、日本の軟弱な線路に適合するよう従台車がきちんと車体を支えている。この結果粘着力が低下し空転が多く牽引力が不足するようである。 靜置して各動輪を上げると第三動輪のみ軽く持ち上がるのである。 実は従台車と第三動輪はイコライジングのためにリンクされており従台車の板バネの強弱で軸重が変化する構造である。マニュアルにはバネ止めナットの先を3mmとしているが、これを短くすることで従台車の軸重が軽減されて、その分が動輪に移動するはずである。
ところが、この作業を始めた途端にバネ軸を折損するというミスをやってしまったのは既に紹介したとおりである。直ちにアスターの玉田さんに相談し、その迅速な対応で運良く残留部品を購入できて事なきを得た。 2,3年前にやった、バネ位置を決めるナットの固着作業をすっかり忘れていたのが敗因である。
この作業の結果、軸重は確かに動輪に移動して線路を捉えるようになった。ただ組立作業中にイコライザ部品の上下を逆に取り付けていたのに気が付いたのは随分経ってからであった。相変わらずのご愛敬である。 さて、6月に手首を痛めてしまったので重量級の運転は控えている。この成果を確認できるのはいつの日であろうか。(2006.9.20) |
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