からくり鐡道の機関庫
2010.1.10全修理 Western Maryland SHAY(No.6) |
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2010.1.28 完成運転(追記) 仮完成宣言をした10月運転会のあとは九州への結婚式出席や倅の結婚式など重なり11月、12月と運転会を欠席せざるを得なかった。従って自信を持っての完成宣言を保留していた。10月の運転会で発見した給水系の問題も解決したはずだったのであるが・・・
年が明けた 1月10日の吉祥寺北裏鐡道運転会で問題なく走行したことでこの日を完成日とする。 この日のあらましは流れ去るブログに次のように紹介している。
(ブログより) --------------------------------------------- 今日の運転会でWestern Maryland SHAY が満足行く走りをしてくれました。。10月の運転会では水漏れ、ガス漏れに悩まされたのですが、継ぎ手箇所を二重化したおかげで今月は問題なしでした。一回目の運転ではボイラー昇圧のために早い時間で燃料切れがありましたが、二回目以降はほぼ40分走行させることができました。貨車4両に錘2kgを乗せ牽引させましたが、走行には全く影響が見受けられない静かな走りでした。これなら完成です。 我が家にきた時はまるで不動の機関車でしたが、一連の再生記録に書いたように異質のものに変身したようです。これで完成、諸手を挙げて?万歳万歳をしています。 ---------------------------------------------
ところが、この運転会のあとは掃除もせず放置していたのであるが、1月20日になりやっと整備終了である。そのあらましもブログに記録している。 速報性はやはりブログにはかないわない。
(ブログより) --------------------------------------------- 午後は、ライブスチームの整備です。今日やっとコンプレッサーでの整備終了、一息つきました。
小型ライブスチームでは、ボイラーは銅製、エンジンは砲金、車輪はステンレスと云うように錆にくいメンテナンスフリーな材料を使っているのが一般的ですが、それでも長期間放置する場合は気になります。 そのため運転会ではボイラーの排水とともに運転直後に外部の汚れや車輪にべっとり付いた汚れを完全に清掃するとともに、凝結水の混ざった潤滑油を交換することにしています。 ただエンジン系統に残った凝結水はなかなか除去できないので帰宅後は必ず圧縮空気でエンジンを回し、水を排出することにしています。整備の詳細は数年前に書いていますので参考にして下さい。
ついでにもう一つ、45mmゲージライブスチームボイラーの話を五編に分けて書いているのでご覧下さい。
ということで運転コロの上に乗せて給水口から圧縮空気を送り込み運転すると、凝結水が煙突から噴き出します。多分左側のシリンダーが奥まっていて水が沢山溜まっていたようです。この気筒の弁心棒からも水が垂れていました。どうやら普通のエンジンと違い給排気系統が長い構造なので念入りな排水が必要に思います。
そうそう、運転会記録で書き忘れていましたが、移動を手伝ってもらった際に普通の機関車のつもりで車体を持って「熱い!!」と驚く方がいたので手持ちの赤外線温度計で運転中のエンジンの温度を測りました。それによるとカバー表面で摂氏120度弱あります。外ボイラー温度の70度前後と比べ高温です。4kg/cm2弱で作動し、過熱管も経由することから蒸気温度は200度強ありそうです。 高温部が車体サイドに露出しているので普通の機関車のような扱いをすると思わぬ火傷をすることになりそうです。 ---------------------------------------------
と云うことでやっと完成である。これ以降の話は「からくり整備工場」の話題にしていくつもりである。
11月9日 仮完成 此処を書いた11月9日現在は、給水系の漏れ防止に不安が残っているので完成宣言していないのであるが、10月5日の吉祥寺北裏鐡道での走り具合を見るとまあいいだろうと思いこの機関庫に入れておくことにした。 この機関車はライブスチーム雑記帳の「再会したいライブ」として紹介するとともにマイ機関車になればいいけど時の彼方に去ってしまった機関車なので殆ど諦めていたのである。 そんな機関車が銀座・天賞堂の中古売り場にひょっこり現れ、信じられないことに売れ残っていたのある。 幸か不幸か我が国の蒸気機関車マニアは日本型HOゲージが偉いと思うようで、本物の蒸気機関には興味が薄いようである。それが45mmの蒸気で動く機関車が残った理由のかも知れない。ましてや動くかどうか分かりませんというお店の説明である。 そういえばまだそんなものが格安で転がっているような気がする。(笑) ハリボテ文化の我が国ではこんなものかも知れないなと嘆息の日々である。(苦笑)
実はこのような現象はライブスチーム界にとって極めて不幸なことであるのだけど。 此の國のライブスチームは一体誰が旗振りなんだろうか? HOゲージでは縮尺論争で掴み合いの喧嘩もあったらしいのであるが、ライブスチームの世界は心優しい人が多いから仕方ないのかも知れない。 私のやっている45mmライブスチームではアスターホビーが日本だけでなく世界の機関車であり続けて欲しいと願っている。一社が繁栄すると全体の嵩上げが出来ると思っている。
適当なところで満足せずに世界一を目指し頑張ってください。 > A社 F 社長さま
この機関車の再生は結果的にはキット組立以上の手応えを感じたのであるが、部品やメーカーのバックアップが無いので大いにに不安も伴っていた。 これらの色々思い悩んだことも含めWM-SHAY再生記録にまとめているのでご覧いただきたい。これとともにブログにも製作時の日々の思いを語っている。 しかしながらブログ記事は時の流れとともに忘れ去るので記録にはHomepageであるという思いは変わらない。 最初の写真は、初回の運転会で待機中のSHAYである。この日初めてテンダーと接続し長大な姿を現した。ぶっつけ本番の運転であったが水漏れを発見したものの無事終了した。 下記の写真は蒸機上げを終えて待機中の姿である。
仮完成した記念にこのHomepageでずいぶん前に書いた文章SHAYについての説明を見直して再掲した。
SHAYとは、米国や台湾の山奥の森林鉄道でナローゲージの木材運搬専用機関車のイメージが定着しているようであるが、どうしてどうしてこのNo.6の実物は、米国ウエストバージニア州のChaffee鉱区支線に配備され石炭運搬用として勾配5-7%の路線を時速10マイルで150頓もの石炭を牽引していたようである。 Big Sixと呼ばれているようである。 とにかく巨大な機関車でエンジンのシリンダ下部まで2mはあり、大柄の米国人が小さく見える写真をよく目にすることがある。1/32縮尺のドイツ人の人形を置いた写真をご覧いただきたい。 現在は同州のCassに保存され時折観光列車として走っているようである。YouTubeで検索してみるとこの機関車の動く姿を見ることが出来るであろう。
整備重量は日本のC62型機関車とほぼ同じであるが、軸重はC62の16.0tに比べこのSHAYでは24.9tあるというから驚きである。
模型であるが、この縮尺1/32のSHAYと2004年に製作の1/30のC622を並べるとC622が小さく見えてしまうからその大きさを理解していただけだろう。 組立途中であるが運転室内の水位計が奥に置いたC622のドームの高さになっている。
アスターホビーでは45mmライブスチーム事業の創業期に歯車駆動のギヤードロコ を続けざまに発売していた。ところがここ20年以上全く商品化していないのである。40年近い昔の特殊なライブスチームのことがweb上で語られることもなさそうである。 下記は昭和57年(1982)に作った今も健在のClimaxである。
以前はこの機関車がどのような構造と駆動性能を持つのか大いに興味を覚えたのであるが、実際に手にして期待通りの構造と性能を持っているようで胸をなで下ろした。 軽負荷では電動のように静かに動くのには驚いた。これならかなり力がありそうである。 事務局長のS堀氏撮影の走行中の姿である。粛々と走っていた。ただし、軸動ポンプと耐圧ホースとの接合点から時折ポタポタと水がこぼしていたのである。
この機関車の完成後、裾野市の日本庭園鉄道(JGR)で走行させる機会があった。貨車を拝借し牽引させてみたのであるが、ご覧のように24両?を楽々と牽引している。50両以上は引くことが出来そうな余裕の運転であった。 後方を走行する赤い五インチのマウンテンの機関士はこの道の大先輩、伊豆エメラルド鐵道の社長U山さんである。偶然のショットが撮ることが出来て感激である。
Western Maryland SHAYの仕様は以下の通りである。 念のためにアスターホビー代理店のSouthern Steam Trains のサイトから英文スペックも引用させてもらった。
--------------------------------------------- <WMシェイの仕様> 縮尺・軌間:1/32 ・45mm(1番ゲージ) 総重量:6.4kg(5+1.4) 最大長:640mm 最大幅:108mm 最大高:148mm 車輪配列:BBB(4+4+4)、直径38mmステンレス製 歯車比:2:1 シリンダー:縦型3気筒、ボア10mmXストローク12mm ピストン:ルーロン製ピストンリング2個 クランクシャフト:ボールベアリング4個使用 弁装置:スチブンソン式 トラベル4.6mm カットオフ75% ボイラ形式:フリュー(炉筒)式煙管3本 燃焼装置:内炊き式ガスバーナー 運転圧力:3.5kg/cm2 缶水容量:340ml(80%水位) ボイラ付属品 安全弁2、加減弁、圧力計、水面計、給水逆止弁、スーパーヒーター 燃料:ブタンガス(容量90cc) 炭水車:水容量280cc 給水ポンプ 車軸駆動式:ボア6mmxストローク6mm 手動式:ボア10mmxストローク16mm 給油機:ロスコー式 車輪片側絶縁加工済み 最小通過直径:2m
--------------------------------------------- <Specifications> from Southern Steam Trains
Weight: 6.4 kg Dimensions: Length 640 mm x Width 108 mm and Height 148 mm Wheels: (3 trucks) Diameter 38 mm made of stainless steel Gear Ratio: 2:1 3 Cylinder Engine: Vertical 3 cylinder engine (cylinders made of phosphor bronze) Bore 10 mm x Stroke 12 mm 2 piston rings made of Rulon around pistons, miniature ball bearings on crank shaft Valve Gear: Stephenson type Valve Travel 4.6 mm, cut-off 75% Boiler Type: Center Flue type boiler with 3 fire tubes Gas (Butane) firing Capacity: 340 cc of water at 80% full Fittings: 2 x Safety Valves, Regulator valve, Pressure Gauge, Water gauge, Water check valve, Super Heater Fuel Tank Capacity: 90 cc of butane gas Tender Water Tank: Capacity 280 cc of water + available space for R/C equipment Hand Operation Feed Water Pump installed (Bore 8 mm x stroke 16 mm) Axle Driven Feed Water Pump: Bore 6 mm x stroke 6 mm mounted on the leading truck wheels axle Lubricator: Roscoe Displacement Couplers: Open Jaw Knuckle Coupler |
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