からくり鐡道の機関庫

2010.1.23入手 45mmライブスティーム「JNR B20」

(写真未)
 2004年に我が鐡道に到来した機関車は「RUBY」という簡便に運転できる超小型機関車であった。 現在はSB氏のもとで活躍中である。 こんな簡単なものはもういいかなと思って手放したのであるが、いつでも線路に乗せて運転できる機関車がいなくなると寂しいものである。 と思っていつところに、とある会合のついでに通りかかった銀座・伏魔殿に売る気が殆どない状態で埋もれていたのを掘り出したのがこの機関車である。まさに「掘り出し物」 (笑)
実は、「RUBY」もまったく同じ経緯・経路を辿って来たのである。

既に多くの方がオーナーであるこの機関車は、吉祥寺北裏鐡道や日本庭園鉄道(JGR)においてその性能をいかんなく発揮しており、「RUBY」よりも数段精密なボイラーや弁機構を持っていることも確認済みである。JGRでは泥沈氏の「B20」が10数両の貨車を牽引して走っていたのには驚いてしまった。

しかしながら、我が家に到来した機関車にはマニュアルは付属せず、購入時の動きを見る限りでは多分動くであろうという状態である。 いつものことであるが、伏魔殿でのライブスチーム購入は、機能確認が不十分なままゲットしなければならぬ博打のようなものである。 天下の伏魔殿の担当者殿もライブスチームには自信がないのか顧客の判断に依るそうである。その分安いかな??? 

余談であるが、そのようなものを我が鐡道クラブの面々はハイエナの狩りのようにむさぼり食ってしまうのであるから大したものである。(笑) その腕前を自画自賛しているのは私だけではないと云っておきたい。現時点でも更なる改造を進めている方が・・・・それはどなたなのかは黙っておくことにしよう。 そういえばどでかい動輪8個の機関車も誰かさんが再生してしまったようである。 メーカー修理に出すなど考えもしない頼もしい面々であるのだ。(笑)

という機関車が来てしまったので念入りに状態と運転方法をチェックしてみた。圧縮空気では問題なく動くことも分かり、同時に操作も習得してしまった。それに、この機関車はアスターホビーで組み立て済みの完成モデルという僥倖もあった。 状態を見ると殆ど運転されていない油切れの新車である。カメラで云えば新同品である。嬉しい。(笑) 後々の線路上での運転に備えてモリブデングリスを念入りに注油しておいた。 各部の動き方を見る限りでは「あたり」が完全に出ていないようなのでしばらく慣らし運転を続けたほうが良さそうである。



前回到来した Western Maryland SHAY と違ってドキュメントが全くないので頼りになるのは、やっぱりアスターホビーのwebサイトである。ということで丹念に読んでみたところ実物の歴史も含めなかなか面白かったのでその中味をかいつまんで索引させてもらうこととする。(ペコリ)

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JNR B20の歴史
 戦時輸送に対処するために、標準規格として各種設計された機関車のうちのひとつで、国鉄制式蒸気機関車ではもっとも最小な機関車である。 第2次世界大戦末期、入換用の小型機関車が不足したことにより、戦時中「標準機関車設計委員会」の指導により、外観を一切考慮することなく、資材の節約、工程の簡素化を徹底して昭和19年(1944年)から昭和22年(1947年)に国鉄郡山工場、立山重工で15両製造されている。 戦時中で物資が欠乏した中での設計のため各種の工法を簡略化していて、国鉄型唯一の飽和蒸気式機関車となっている。入換用として昭和47年(1972年)まで(鹿児島などで)使用され、現在梅小路蒸気機関車館ほかで計2両が保存されている。


本モデルの特徴
★縮尺
 小型な構内用入換機をアスター製一番ゲージモデルで採用している縮尺(1/30)でモデル化すると小型になりすぎてボイラー容積も少なく、入門者にとっては扱い難い模型になってしまう。 気軽にライブ運転、組立を楽しめる機関車とするために縮尺を約1/24にして「Gゲージ」として模型化している。
 その結果。生み出された余裕スペースと、初心者にも運転が簡単なガス焚を採用し、ラジコン化を容易に出来るよう設計した。

★新機構
 排気ノズル
 気温が高い時は、煙突からの水蒸気を視認し難いという意見に応えるべく、何時でもリアルな排気を吐き出す新型の排気ノズルを採用した。このノズルの副次効果は、始動時に煙突から熱いドレン(凝結水)が噴出す事を防ぐ効果も高い事が実証されている。

 Gゲージ曲線に対応
 後部連結器は、LGB等の模型用極小径(半径55cm)の円周コースを周回する場合にも対応出来るように大きく曲がる連結器アーム(ポケット)を標準で装備している。


★新機能
 キャブ内の燃料タンクは、単独走行時は燃料タンクとして使用する。別売のユーティリティーカーを連結して運転する際は、簡単な部品の付替えだけで、ガスの2次膨張室として使用でき長時間安定した燃焼が可能な設計である。また、水圧ポンプによりボイラーへの水供給を同時に行うことができる。
潤滑油タンクはユーティリティカーによる長時間運転を想定し大型にしている。更には実物には組み込まれていない過熱器を装備し、性能アップに寄与させている。

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 文章は一部変えさせてもらったが、模型としての設計思想はなかなか興味深い機関車である。一歩進めてライブスチーム人口を増やすためにこのような機関車の量産販売計画を更に進めてみてはいかがなものだろうか?もちろん運転環境の整備、リアルな理科的興味の育成、廉価の推進など機関車単体を考えただけでは解決しない問題が沢山ありそうである。 いずれにしろ常時販売している機関車としてメニューに載せておく必要はありそうである。
あと、ロングランに向けてユーティリティカーが安く入手できないかと思っているが・・・・多くを望むのであれば今ある機関車をもっと使いなさいと云われそうである。(汗)



前置きが長くなってしまったが、運転コロ上の走行を見る限りでは全く問題もなく、線路上でも力強い?走行をしてくれそうである。いつでも簡単に楽しめるライブスチームを再び所有できて嬉しい限りである。
確かに煙突からのドレイン排出もない。下部に落ちた水は、底蓋内か煙室で蒸発しているのであろうか? 乾燥した気候にもかかわらず写真のように蒸気を勇ましく噴き出すようである。 主台枠内は大きな空間があるのでラジコン装置を取り付けるのも楽なようである。



強いて難点を云えば、ガスタンク容量が水容量よりも大きいことでガスがなくなる前に水がなくなってしまう。空釜には十二分に注意をはらう必要がある。JR東日本のD51の二の舞にならぬよう気を付けよう。

最後にこの機関車の機能仕様をアスターホビーのサイトから拝借し掲載することとする。米国サイトよりも拝借させてもらった。
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   JNR B20機能仕様
   縮尺1/24 G ゲージ (45 mm) 
   総重量2.8 kg. 
   全長302mm 
   全幅106mm 
   全高148mm 
   車輪配列0-2-0 FOUR WHEELER(B) 
   動輪径35mm(直径 

   シリンダー2 シリンダー, ボア 12mm X ストローク 20mm 
   弁装置ワルシャート式 

   ボイラータイプセンターフルー式 
   缶水容量120CC(80%容量 

   ボイラー装備2x安全弁,圧力計,水面計, 加減弁,給水逆止弁, 給水蓋 
   給油装置ロスコー式 (右タンク内に装備) 

   燃料容量31 cc, ブタンガス  
   回転最小半径0.55 m 
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   SPECIFICATIONS
 
   Scale / Gauge: 1/24 G Gauge (45 mm)
   Weight: 2.8 kg
 
   Dimensions: Length O.C. 302 mm
   Width: 106 mm
   Height: 148 mm
 
   Wheel Arrangement: 0-4-0 Four Wheeler (B)
   Driving Wheels: Dia 35 mm
 
   Engine Cylinders: 2 Cylinders, Bore 12 mm x Stroke 20 mm
   Valve Gear: Walschaert, Valve Travel 5.0 mm. Cut-Off 84%
 
   Boiler Type: Center Flue, Pressure 2 kg / cm2 at normal working
   Water Capacity: 120 cc at 80% full
 
   Fittings: 2 x Safety Valves, Pressure Gauge, Water Gauge, Regulator Valve, Check Valve Filler Plug
   Lubricator: Roscoe Displacement Type Located in the right side tank
   Gas Tank Capacity: 31 cc Butane Gas Fuel 
   Minimum Radius: 0.55 m 





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