Western Maryland Shay修復記録

2009年10月05日
北裏鐡道デビュー。完成です。


昨日の日曜日は天気予報が外れ好天であった。おかげで気持ちのいい一日となりこの機
関車の試運転には最高の日であった。前の晩久しぶりに熟睡したせいかも知れない。歳と
ともに睡眠時間が短くなりがちの私には大切なことである。(苦笑)

さて、予想外に長くかかったWestern Maryland SHAYの再生であったが、そろそろ大
尾である。本日(10月4日)は、吉祥寺北裏鐡道の運転会に持ち込み走行確認出来たので
ある。完成度は100%と云えないものの完成宣言してもいい頃である。 今回は、午前と午
後に二度走行させてほぼ満足いく結果が得られた。 運転時間が累積するにつれて機関
車が次第に快調になっていくのを感じたのである。エンジンやギアが次第に馴染んできた
のだろうか? 自動車と同様に慣らし運転は大切である。



 準備中の写真である。テンダーを運転できるように接続して写したのはこれが初めてあ
る。「おーっ、大きいね。」というのが北裏鐡道会員の感想であった。私も同感である。(笑)



 後方から見た駆動軸である。エンジンの回転が全車輪に伝わる仕組みが分かると思う。 
さる「からくり名人」から「駆動軸の先端に小型発電機を仕込んでLEDライトを点けてみたら
いかが。」と恐ろしいご提案を頂戴した。 実はこの方、蒸気熱発電機の発明家である。私
には無理である(笑)



さて、家庭用コンロのブタンガスを注入し、バーナー点火、五分程度で安全弁が噴き上が
った。水をたっぷり入れていたので壮大な吹き上がりであるが、ご愛敬、ご愛敬。 Climax
のセンターフリュー型ボイラーと比べると燃焼操作が楽な気がする。センターフリュー大煙
管の先に小煙管がミックスされていることから煙室に一気に炎が抜けない効果かも知れな
い。私自身はいいボイラーと判定した。

この機関車の弱点は、予想通り給水系ゴム管が抜けやすいことであった。特に圧力のか
かる給水系統で根元からの漏れが見受けられた。安全弁が噴き出す4kg/cm2前後で第一
台車と主台枠の接続点からポタポタ脈動しながら漏れているようである。 加減弁を開き圧
力が下がると漏れは止まる。 どうやらこの対策が必要である。 その反面、軸動ポンプの
加圧は充分作動しているので安心である。
ガス管でも同様の問題が発生した。液化したままの生ガスが管に入ると管内圧力が上がり
過ぎるようで一気に抜けたり外れる寸前まで後退してしまう。たまたま手元に大口径のシリ
コン管があったのでご覧のように二重にして見たところその後は抜け落ちることはなかっ
た。要経過観察である。


 と云うことでこれからの給水系の漏れ防止である。 給水が不十分であるとガス炊きボイ
ラーでは空釜をやりかねない。以上のようなバグを見つけたので今日の運転はボイラーの
水位を高めにして運転することとした。みっともないのであるが水まみれの機関車になって
しまったのはこのような理由からである。
もう一つの課題、ボイラーの水抜きは安全弁を外してやるしかなさそうである。面倒だが仕
方がない。

 さて、運転であるが、走行はギアから発する音は小さいので気にならなかった。ガチャガ
チャという雑音もなく粛々と走るのは意外であった。その昔の阿里山シェイと比べると走行
性能は大きく改善されているようである。もっともいずれも30年前の製品なのであるが・・・・
手で連結器を掴み加減弁を開いていくと空転するではなくグイグイと手に牽引力が伝わ
る。その際ドラフト音が大きくなるが、無理はしないことにして加減弁を絞った。 今日の単
機走行では荷が軽すぎるのか電動機関車のように静かな走りをしてくれた。 牽引力はい
ずれ測定して私の計算値の連結器出力1.18kgと比較したいと考えている。



事務局長Sさんの写真を拝借させていただいた。感謝、感謝である。
自分の機関車の走行写真は気が気でなくてなかなか撮れないものである。見事に止まる
流し撮り、エンジンの回転と流れる枕木いい雰囲気の写真を頂戴した。それにアタフタして
いる自分の姿も自分では見ることが出来ない。(汗)


ところで、肝心の運転会であるが、試運転に懸命となり殆ど見学する余裕がなかった。そう
いえばどなたかが持ってきていた本も結局目を通すことが出来なかった。
このような初回の運転であったが、二度目の走行はガスを満タンにできたのか40分近く温
和しく走っていた。恒例の出席者記念撮影の間も放置したままくるくると回っていたのでガ
ス焚きとしては予想以上に逞しい機関車のようである。

ひょんなことから無理をして導入してしまった機関車であったが、その結果には構造、走行
性能ともに充分満足している。この先問題点を改善し強靱な機関車に育て上げるつもりで
ある。

以上、取り急ぎの試運転と完成レポートである。気分的にはまだ完成したとは思っていない
のでもう一回はこの項を続けたい。(2009.10.8 )





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