からくり日記

1995年09月20日

幼年クラブと少年

 高校を卒業するまで住んでいた町には新聞販売店やキャンデー屋と本屋を兼業したお店しかない衰亡していく古い問屋町でした。
 小学校を卒業して賑やかな温泉町町の中学、高校と通うようになれば地元の本屋には興味がなくなってしまいました。こんな環境の生まれ故郷でしたので今や書店の無い町になっているのではないかと思います。
 さて、このような侘びしい町であっても小学校低学年時代は、頼りない本屋と貸本屋が我等の情報源でした。一番に待ち焦がれたのが、付録満載の月刊誌でした。今思うと子供向けのヲタク雑誌というべき本で、子供の期待するありとあらゆる情報が詰まってます。
なかでも小松崎茂さんの挿絵は未来都市や、あこがれの戦艦大和奮戦記が生き生きと描かれてます。鉄腕アトム、鉄人28号、矢車金之助、少年探偵団・・・・・・それに別冊付録の漫画。これらはすべて光文社の「少年」という雑誌でした。
 購読していた雑誌に「幼年クラブ」がありました。名前の通り小学低学年を相手にした講談社発行の雑誌で、有名な少年クラブの弟分です。昭和27、8年当時少年クラブが存在していたかは定かではありませんが、幼年クラブがあったので当然発行されいたと思います。この本の気になる連載は、ほとんど覚えていません。が、何故か忘れられない本です。辛うじて覚えているのは、母や、祖母が面白いといって読んでいた「日輪童子」という題名の物語のみであらすじは忘れてしまいました。付録や内容については思い出せないのが不思議です。
多種多様な付録類を断片的に思い出しますが、一体どの本に付いていたのか定かではありませんが、日光写真セット、写真機と現像セット、白熱電灯利用の幻燈機がたまにある大物で、双六、トランプ等々は毎月あったようです。
毎月毎月、子供心では思いもつかないアイデア豊富な付録の山が来るのが待ち遠しくてなりませんでした。
 ついでに書けば、よく読んでいたのが少年画報・砂漠の魔王、月光仮面。漫画少年等でした。立教大学を卒業したばかりの長嶋茂雄氏が表紙を飾った昭和34年の少年サンデー創刊のまでにはまだ数年ありました。(1995.9.2)

'95.10現在満80歳で千葉県柏市で相変わらず元気に挿絵を執筆されているようです。今年の一月に自宅が全焼し貴重な原画や資料が焼失したようで本当に残念な出来事でした。







トップへ
トップへ
戻る
戻る
前へ
前へ
次へ
次へ