C622製作記録
| 夏休みの午後、所用が終ったので体勢を整えてエンジン組立に着手しました。本日の作業で一番時間を要するのが研磨です。C622ではシリンダーブロックに摺り合わせ機構による新型ドレイン弁が装着されたので研磨面が2カ所増えています。従って2面X2組=4研磨工程増になったわけです。
<研磨前の部品、最下段がドレイン弁、四角の板がクロスポート面>
さて、単調でありますが丁寧にシリンダーブロックのドレイン面、ドレイン弁、クロスポート面、スライド弁を各々2組、8研磨工程を約2時間半かけてこなしました。1000,1500耐水ペーパーで研磨していくと次第に輝き最後には鏡面に近づきます。手元に2000番が残っていたので更に綺麗にしてしまい、いつ組み立ててもいい状態になりました。
しかしながらいささか疲れたので気分転換に主台車に軸動水圧ポンプを装着しました。 ポンプそのものの組立は逆止弁を含まないので大変簡単です。 ただ、ポンプを主台車へ取り付ける要領がわかりにくく、固定するための適当な工具が見あたらないのもあって太めのラジオペンチ2組で締め上げました。このやり方で良いのだろうか、狭い場所なのでそれなりの工具が必要なのかも知れませんが、にわか工事会社になってやってしまいました。ポンプのセンタと駆動カム位置を適当に合わせて車軸に固定し調子を見ましたけど、この辺の要領は記述して置いて欲しいと思います。 まあ、手回しでスムーズに回るのでこれで良しとしています。 組立上不明なのは、グリスアップ又は潤滑油の塗布タイミングです。動輪、カムにその旨の指示が見あたりませんでした経験者には当たり前のことが初心者には戸惑うことかも知れません。 最終的な説明書にはきっと記述してあると思います。(笑) ちょっと高級品でありますがモリブデン入り半乾燥の潤滑材を要所に注入して作業を終えました。
研磨した部品が乾燥したのを見計らってエンジン組立に着手しました。 既存部品を組み立てていく単純な作業ですが、シール剤の塗布、左右部品の取り違い、研磨面の傷防止に十分注意することとしました。 まずクロスポート、弁室をバスコークを使いながら取り付けました。バスコークをガスケット紙に全面塗布とありますが、この表現でいいのかちょっと気になります。従来の手法通り圧着時のシール剤の逃げ場を考慮し、塗りすぎに注意しながら作業しました。弁室は隠し皿ネジで止める構造なので上部蓋を開いたまま締め込むことができ、後工程の弁調整に便利だと思いました。以前のスタッドネジでは、シール剤の固着前に急いで作業したものです。 ただ、この構造は製造コストが上がると思いますが、長い期間にわたってメンテしながら使うユーザとしてはこの方式を歓迎いたします。 写真を撮り忘れましたが、ピストンにルーロン製のピストンリングを各々2本装着します。ピストンの直径は15mmなので今までの機関車のものより質感があり、馬力がありそうです。 シリンダーの後蓋にピストン棒を挿入、次いでOリングを入れて軸穴ナットを締め込みます。締め具合は特に指示がありませんが、手で締めてスパナで回したところ最後まで軽く回りました。多分熱が加わるとOリングが膨張して密封されるのでこれで良いのだろうと推測しました。 さて、シリンダー後蓋の装着です。シール剤を円形のガスケット(紙)に内周に付着しないようにして塗り広げます。圧着時のシール剤の逃げ場の確保のためです。これをシリンダーに貼り、同じ作業を裏面でも繰り返します。 潤滑油を塗布したピストンを注意深くシリンダーに挿入し、上死点に近い位置まで繰り出した後、6個のネジで後蓋を固定しました。 ライブ作成時の常識ともいえるピストンを繰り出した状態で後蓋を固定します。締め付けるネジは対角線に遠い順序で締めるという作法も記述してありませんが、初心者の購入層も多いと聞いていますのでちょっと気懸かりになりました。
<クロスポート、弁室と段重ねしたエンジン> (中央下部にある小さな2つの穴がシリンダーの前後から導かれたドレイン穴、その2つ上の小穴が弁室につながるドレイン穴です。ドレイン弁レバーの角度で全閉、下部のみ、全開が選択できます。)
同様の手順で前蓋も装着して本日の作業を終了しました。シール剤固着まで24hです。そーっと箱の中にしまいました。 今週の作業は多分これでおしまいですが次の工程は何時の日できるのやら分かりません。 途中の作業経過を忘れないような工夫が必要と思います。 (2003.8.25) |
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