| 小手調べとというには冒険だったかも知れませんがエンジンから組み立てるのが儀式だと思って取り組みました。うっかりして写真を撮るのを忘れましたが、このエンジンの特徴は、スライド弁が行き来する面がシリンダブロックから分離されています。その裏には蒸気がシリンダの逆位置にクロスして流れるための溝が刻んであります。つまり、前の蒸気ポートから入った蒸気がシリンダの後方に供給されるために溝がクロスしているわけです。(クロスポート方式) 模型では密閉性において有利なスライド弁を使うのが普通です。本物で使っているピストン弁は、密閉性や工作が面倒なので大型の模型以外では使われることが少ないようです。仕組みの説明は省略しますけど、両者では蒸気供給の流れが全く反対になります。ということは、弁の設定位置が前進方向のはずなのにレギュレーターを開くと後進してしまうということが起きるのです。 私のように動けば分からなくなるのでどうでも良いことじゃないかと思う人も多いのですが、やはり、こだわりには勝てません。9600のクロスポートは、このこだわりの産物だと思います。まあ、本物により近いというのはいいことと思います。(笑) 一番時間が掛かったのはやはり摺動面の研磨でした。説明書では付属の紙ヤスリで磨くとだけありましたが、昔の説明書には更に具体的な方法が記述されています。この記述に従ってやったら延べ半日を使ってしまいました。1500番の耐水紙ヤスリで研磨し、その後2000番で仕上げました。こうすると鏡みたいな面になり摺動面同士がぴったりくっつきます。もちろん、水を使いながら磨いていくわけです。このようにして組み上げたのが下のエンジン部です。 密閉材としてシリコン製の水漏れ補給材を使いますが、使いすぎないのがコツです。密閉したい箇所全面に塗るのではなく、外側半分程度に塗布することで内部に極力はみ出さないように注意します。こんな些細な説明が記述されなくなっていましたけど、初心者は大丈夫なのでしょうか? |
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