ライブスティーム雑記帳

再会したいライブ(2003.8.10)


WMシェイ
 Westen Maryland SHAYであります。ClassB SHAYの改版を出して自信が付いたのか更にシェイプアップしたClassCすなわち6軸駆動のSHAYが発売されました。昭和55年頃だったと思いますが、当時の価格でキットで42万円でした。が、その頃は育児はともかく実家の父が死んだり、自分自身が転居したりの激動の時期であり生活必需品以外は横目で睨んでおくほかはありませんでした。(クライマックスを色々画策して手に入れたのもこの時期でありました。)そんなこともあって懐が許すならば一度は手にしたい機関車であります。古いアスターのカタログを見ると下記のようになかなかの仕様です。大人1名を牽引できる設計にしてあるとの言葉にぐっと来てしまいます。OSには5吋石炭炊きSHAYがありますけど普段の扱いを考えるとこの機関車に大きな魅力を感じます。

実物は、米国ウエストバージニア州のChaffee鉱区支線に配備され石炭運搬用として勾配5-7%の路線を時速10マイルで150頓もの石炭を牽引していたそうです。現在は同州のCassに保存されています。Cassにはシェイの様々なタイプのほかにV型エンジンのハイスラーライマックスが動態保存されています。先年「Cass Scenic Railroad」というビデオを入手しましたが、これは凄い、シェイのオンパレードというかギヤードロコの運動会です。(汗) 同時に3両のシェイが併走したり、3トラックシェイの3重連が引く観光列車をハイスラーの引く蒸気クレーン車が随行しています。スイッチバックで行き違う様はさすがに機械好きの国民だと思ってしまいます。残念ながらクライマックスはリストアを持っていると云うことで赤錆た車体を曝したままでした。
 アスターでは初期の段階にギヤードロコを続けざまに発売し、その後は全く商品化していません。また、20年前のこれらの特殊な機関車の噂がネット上で流れることもなさそうです。googleなどの検索エンジンでクライマックスや歯車やらを検索して引っかかるライブの話は殆どないのも寂しい限りです。検索結果が出て「あっ、同好の士がいた。」と喜んだものの、それは自分のサイトだったという笑えぬ話があります。
ギヤードロコのライブ仲間がおられたら是非ご連絡いただきたいと思っています。
実は、WMシェイのアスターモデルをこれまで一度も見たことはありません。ましてや運転中どの様なドラフト音をたてて走行するのか是非拝見したいものです。
所有していたクラスBとの違いは、動輪が6軸であることの他にボイラーがセンターフリューのガス炊き、煙管まで付いてますが構造が分かりません。更に初期シェイでは0.8mm直径だったシリンダのボアが10mmに拡張されているので馬力がありそうです。

<WMシェイの仕様>
縮尺・軌間:1/32 ・45mm(1番ゲージ)   総重量:6.4kg(5+1.4)
最大長:640mm                最大幅:108mm
最大高:148mm
車輪配列:BBB(4+4+4)、直径38mmステンレス製
歯車比:2:1
シリンダー:縦型3気筒、ボア10mmXストローク12mm
ピストン:ルーロン製ピストンリング2個
クランクシャフト:ボールベアリング4個使用
弁装置:スチブンソン式 トラベル4.6mm カットオフ75%
ボイラ形式:フリュー(炉筒)式煙管3本
  燃焼装置:内炊き式ガスバーナー   運転圧力:3.5kg/cm2
  缶水容量:340ml(80%水位)
ボイラ付属品
  安全弁2、加減弁、圧力計、水面計、給水逆止弁、スーパーヒーター
燃料:ブタンガス(容量90cc)
炭水車:水容量280cc
給水ポンプ
  車軸駆動式:ボア6mmxストローク6mm
  手動式:ボア10mmxストローク16mm
給油機:ロスコー式
車輪片側絶縁加工済み
最小通過直径:2m


ビッグボーイ
 アメリカ鉄道を少しでも囓(かじ)ると必ず出てくる動輪8軸4-D-D-4構成の世界最大の機関車です。この機関車のみを取り上げたサイトが世界には多々あります。試みにgooglebigboy(あとrailroad)と検索してみるとご理解いただけると思います。日本型最大の蒸気機関車は先年まで小樽方面で走っていたC62ですが、その巨大さ、馬力、居住性では比べるべくもありません。最大の特徴は4組の蒸気エンジンを駆動していることです。更に、曲線を通過するために前部エンジンと動輪は機関車本体と連接式結合となっており左右に首を振ります。日本の蒸気機関車よりも遙かに高圧の蒸気は連接パイプを経由して供給されており、このシーリングには特殊の技術が必要であったろうと推測します。この型の機関車はマレー式とかアーテキュレイティッド(連接)型と呼ばれ、チャレンジャーアレゲニーY6b等の米国のものや独逸の小型マレーBR96、南アフリカのガーラットがあります。アスターも思い出したようにこれらを製品化して販売してくれますが、私の資金繰りとうまく同期しないのが玉に瑕です。(苦笑)


  <吉祥寺北裏鉄道でお目にかかったBIGBOY。 高橋オーナーの機関車です。>

 実物のお話はさておきbigboyは、アスターから昭和57年頃発売されました。が、WMシェと同じ理由で断念しました。というか、車一台分のお金を趣味に投入する元気は初手からなく、入手することを考えもしませんでした。この機関車はYLSCで1,2回目撃していますが、実に素晴らしい機関車であります。
ボイラーから4組の蒸気エンジンへ蒸気を供給し、8軸の動輪が足並みを揃えて疾走する様は45mmゲージとはいえ大迫力です。この機関車のボイラーは、ガス、木炭の共用で設計されていますが、殆どの方がガスを使っているようです。これだけ巨大な機関車をライブで実現するには運用管理を考えると45mmゲージかなと思うのですが、彼の國では3.5吋や5吋ゲージでbigboyを作っている人が多数いるというのですから恐れ入ってしまいます。
アメリカの蒸気機関車の象徴は、このbigboyでありますが、これに対抗するために小なりとはいえJNR C622を組み立てることを密かに計画しているのですが、さてどうなりますやら。更に気懸かりなことに、アスターのC622がなかなか姿を現しません。5月連休発売が8月夏休みになっても世に出ていないようです。早く売り出されると資金繰りに困るなと思っていましたが、そろそろ使い込みが心配になってきました。アスターさんよろしくお願いします。(笑)

<ビッグボーイの仕様>
縮尺・軌間:1/32 ・45mm(1番ゲージ)   総重量:19kg(14.5+4.5)
最大長:1,224mm                最大幅:106mm
車輪配列:4-8-8-4
動輪:直径52.5mm(ボックスタイプ、ステンレス製)、コイルスプリング
   メインロッドメタルはボールベアリング入り
シリンダー:砲金製4シリンダー、ボア13mmXストローク20mm
弁装置:ワルシャート式(スクリューリバーサー)
ボイラ形式:機関車型、大煙管2本、小煙管8本、スーパーヒーター2本
缶水容量:800ml(80%水位)
ボイラ付属品
  安全弁2、加減弁、圧力計、水面計、給水逆止弁、缶水抜き弁、汽笛弁
  汽笛、バイパス弁
火室面積:180mmx64mm
燃料:木炭及びブタンガス兼用
    ブタンガス(容量220cc)
炭水車:水容量1000cc、ガスタンク又は木炭バスケット搭載
給水ポンプ
  車軸駆動式:ボア7mmxストローク8mm
  手動式:ボア10mmxストローク16mm
給油機:車軸駆動(自動)式







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