クラカメ好きですか


修理三昧な一日 (2004.1.18) (写真追加)

 このところライブ製作に偏重していたのでカメラの修理がおろそかになり、不調なものが溜まってきていた。クラシックカメラの台数が増えると一台あたりの使用頻度は当然減り、更には持ち出すのは使い易いカメラに偏ることから一年間全く使用しないものが散見される始末である。ひどい例は、買ったもののフィルム一本も通していないカメラまで出るようになっている。以前の私ならこんなことは絶対に無かったのであるが、年のせいであろうと自己嫌悪に陥っている。カメラに限らず機械ものは使っていないと次第に不調になってしまう。その事象が人間的であると感じて愛されるのかも知れないが、機械を愛でる人が不在になると残念ながらその用をなさなくなってしまうことが殆どである。みなさんの家に眠る古い白い粉を吹いた機械式カメラを思い出して、たまには使っていただけると幸いである。
 さて、今日の休日は、年始めに引いた風邪が治らないので外出を控えて久しぶりに溜め込んでいたトラブルカメラを並べ修理に遊ぶこととした。
 最初は、バルナック型のコピーニッカ3Sである。このカメラは戦後、距離計の特許が切れるのを見計らって日本が生み出したライカIIIaのそっくりさんである。ストロボ接点を備えており個人的には好ましいカメラと思っている。数年前に無音ライカに仕立てるべく幕速をギリギリ遅くした補修を行い、「これは静かだ」と一人悦に入っていたのであるが、数ヶ月後最高速の1/500で撮影するとシャッター幕が完全に開ききらないという問題が発生した。締めたネジバネが次第に弱くなり前幕に後幕が追いつくという事象である。本家のライカでは起きないが日本製ではこれが起きるので修理時はもう一締めしておくのが修理の常識であることを後日知った。知ったまま何年も放置するのは修理屋の風上に置けないのであるが、自分で使うものだからご勘弁願いたい。このたび晴れて分解してバネを締め、1/500まで全域開いていることを確かめた。
これで気兼ね無く使えるバルナック型カメラを再生したのであるが、本家すら使用頻度が落ちているのでどう使っていこうかと迷った。
 以前紹介した35mm蛇腹式カメラスーパードリナ2もちょっと不調になっていた。セルフタイマーの操作ミスでシャッターチャージができないままである。シンクロコンパーなのですぐ直せると思ったものの工作台の上に置かなければ直るはずがないのである。

これは気の力で直せるぞ、エイヤーッと気合いだけで元通りであればいいのだが、結局1年半放置してしまった。ボロ市で入手していた同型機も未整備である。動かない方から始めることとしシャッターを開けたのであるが、「あれ、こんな蓋だったっけ?」という具合に完全に忘れるぐらい腕が錆び付いている。故障そのものはは引っかかっているリンクを触ることであっけなく直ったのであるが、チャージレバーとのリンク部品のねじバネを外してしまい一瞬はっとした。久々の修理で勘が狂ったようであるが何とかもとに戻すことができた。注油清掃は前回やったので省略し、動作確認をして終了とした。
 2台目は、入手後初めての内部チェックであったが、比較的に綺麗な個体であった。体調不良もあって汚れを取り除いただけで完了とした。組立後シャッターリングのクリック感が今一つであることに気付いたが、結局このままにしておいた。
ファインダーと距離計の汚れが気になったので軍艦部を外してエタノールで清掃すると見違えるようにクリアな見え方になった。これなら撮影意欲が湧いてくる。携帯性抜群、写りも満足できるこのカメラを久しぶりに出撃させるつもりである。でも、風邪を早く完治しなければ(汗)


   <意外にもスーパードリナ2 テッサー5cm/f2.8 益子にて>

  最後に手を付けたのがRolleicode?型である。2年ほど前に小岩の某店でケース付きながら超格安で買ったもののいつでも復活すると思って放置していた。戦前のcodeと思われるのであるが、フードにはflexと同じ反射式ファインダーまで組み込んである。さすがに鏡の銀面は傷んでいるが十分実用になりそうである。
本題の上部折り畳み式ウエストレベルファインダーを取り外し、内蔵反射鏡を清掃したが、さほど汚れていない。ビューレンズの汚れも気にならぬ程度である。肝心の撮影系は嬉しいことにスローシャッターまで問題なく動くではないか。テッサー75mm/f3.5の前玉を外しレンズ内部を清掃するとこれで完璧である。
「清掃終了だ」と撮影をイメージして空シャッターを切るのであるが、何だか違和感がある。巻き上げ方向が違うのである。「よーく考えてみよう。あ、逆回りだ。」(汗)
実はこのカメラには赤窓が付いていたので一枚ずつ赤窓から確認しながら撮影すると思いこんでいた。ところが、付属の革ケースには赤窓用の穴がないのである。ということはスタートマーク方式である。巻き上げ側のリールに接する回転軸が駒送り量を感知し1枚毎に停止しなければならない。空リールが巻き上げ側に入ったままであり、常時撮影状態になっていたせいで巻き上げ機構に不具合が生じたものと思われた。最悪、赤窓方式で使えないことはないのであるが、それでは不便で仕方がない。本日は時間切れになったので後日真面目に修理にチャレンジすることとした。
今年の初修理として3台半措置をしたが、まだまだ不調なものが転がっている。クラカメのお話が修理日記にならないように気を付けたい。
 あ! ロボットロイヤル24の巻き戻し軸に不具合があったのでこれを調整したことを書き漏らしていた。(汗)(2004.1.18)







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