お気に入りのカメラ再考(その2) (2004.7.4) (写真追加) |
| B級と呼ぶには忍びないのであるが、B級カメラといわれる機材も色々存在しているのだが、一時期著名な機材の収集に力を入れた結果、日の目に当たらなくなったのは事実である。どうやら私の出来る範囲の収集は一段落したような気がするのでこれからは使うことに力を入れるようにしたい。気楽に持ち出して撮影に使えるのがこれらの品々である。現代カメラ顔負けの撮影結果を得られるのも嬉しいカメラ達である。 前置きはさておき、このクラスのカメラで真っ先に浮かぶのがホクトレンデルのビトマチックIIbである。クラカメに興味を持って間もない頃、現在は早田カメララボの経営者のotomenさんや早田名人に薦められて使い始めたカメラであるが、現代でも通用するコンパクトにまとめられたデザインとカラースコパー50mm/f2.8の写し取る鮮やかな映像に驚いた。その印象は、別項(知らなかった世界)にまとめてあるが、クラシックカメラファンとしては是非一度は使っていただいて、その玉の魅力を感じ取っていただきたい。
<ビトマチックIIb カラースコパー50mm/f2.8 次太夫堀公園>
次も同社のからくりカメラビテッサである。観音開きのレンズカバーと煙突のようなフィルム巻き上げプランジャーに特徴がある。このカメラについても別項(ありがたいカメラ)を参照されたい。
<ビテッサ最終型>
<ビテッサ ウルトロン5cm/f2 f11まで絞った記憶があります。 都庁>
東独逸のWerramaticも実力のあるカメラである。クラカメに入って初期の頃は、このカメラをお供にあちこち撮影し、その結果に喜んでいた。レンズ鏡胴の筒元がフィルム巻き上げ機構なので、最初に手渡されるとどうやって使うのか戸惑う軍艦部にネジ一本ない流線型カメラである。レンズはZeissのテッサー50mm/2.8とフレクトゴン35mm/f3.5を常用していた。レンズ鏡胴の絞りとシャッター速度を光学的に合成しファインダーで直読出来る手間の込んだ機構を持っている。
<Werramatic フレクトゴン35mm/f2.8 野川公園>
ビトマチックIIbも同様である。両者ともセレンを使った追針式EE機能を持っており、現代でも十分使えるカメラである。
<ベラマチックとテッサー50mm/f2.8>
以上の3機種がB級御三家であるが、この他にも修理に泣かされたが、思いも寄らぬいい結果を得たブラウン・パクセッテIIBLのフルセット、鮮やかな色彩を捉えてくれるAGFAアンビジレッテのセットが楽しい。特にAGFAのカラーアンビオン35mm/f3.5?の赤系統の色合いは他を凌駕している。
<AGFAアンビジレッテ カラーアンビオン 35mm/f3.5 世田谷八幡の夜店>
ところで、早田カメラから衝動的に入手したものの全く使っていないのがバルダマチックIIIのバルダクセナー50mm/f2.8とテレクセナー135mm/f4のセットである。見た目の尊大さ?に惹かれてしまった。(笑)セレン追伸式AEである。これは別途テストすることにしたい。
そうそう、複雑怪奇、修理不能カメラで有名なフォクトレンデルのウルトラマチックが居間に鎮座しているのを忘れていた。デザインは現代的であり、これが出現した1950年代には驚異の目を持って迎えられたことであろう。このカメラはレンズシャッターであるという点を除いて一見現代の一眼レフと殆ど変わらない動作をするのである。当時の一眼レフはフィルムを巻き上げているときのみ被写体が見えて、シャッターを切るとブラックアウトするのが常識であった。ところが、このカメラのみが現代と同じクイックリターン式のミラーを持っており、違和感がない。しかもセレン式のシャッター優先自動露出機構まで持っている。
<稀代の難物、ウルトラマチック>
この仕掛けをレンズシャッター一眼レフで実現するためにカメラの中はからくりの塊と聞いている。ミラーを戻すためにフィルム巻き上げと同時にゼンマイのチャージをしているようである。従ってシャッターを切った状態でもストレスがかかる構造になっているため静態保存は避けるべきことのようである。早田名人は、ジョーク混じりで「このカメラの保存は、バルブでシャッターを開いてゴムバンドでそのままにしておくことだよ。まあ、使うことが最高の保存だけど」とのたまわったことがある。 このカメラはフォクトレンデルでの最初で最後のクイックリターン・レンズシャッター一眼レフとなり、それ以降のウルトラマチックはブラックアウトする方式になってしまった。よっぽど作るのが困難だったのであろう。 このように気難しいカメラの修理は、早田カメラ以外にはないと思っている。私のは早田さん生存の間の永久保証付きなので安心して使っている。そういう場合に限って壊れませんね、このウルトラマチック。(笑)
<ウルトラマチック ゼプトン50mm/f2デジカメでコピーしたらポジの色合いが??>
5月のカメラ市でレチナ・クルタゴン28mm/f4を戦列に加えゼプトン50mm/f2の支援を図った。 昨晩(7/3)、ふと思いついてバルダマチックIIIの交換レンズをウルトラマチックに装着してみた。デッケルマウントであると知っていたものの両者を組み合わせることはなかったのである。ところが、バルダのいずれのレンズもウルトラマチックの機構に問題なく連動するのである。知ってしまえば当たり前であるが、これで28mmから135mmまでのフルセットカメラに変貌させることが出来た。 その逆を試みたのであるが、バルダマチック側の距離計連動ピンが太く135mmでは問題なかったものの28mmレンズでは非連動になってしまった。まあ、この組み合わせで使うことはないと思うのであるが、これがデッケルマウントの距離計相性問題かと昔聞いたことを思い出した。その後出てきたカラースコパー50mm/f2.8はバルダでも利用できそうである。 SLRについてはどうやら私は蛍光灯のようである。 でも、これ以上古代の一眼レフに深入りするのは止そうと思う。(汗)
撮影復活を目指して気になるカメラの幾つかをレポートした。各カメラやレンズでの撮影作品も気が向いたところで入れてみようと思っている。デジタル化が追いつかなくて何時になるか約束はできないことをご容赦願いたい。(2004.7.4)
少しですが写真を追加しました。一部は作業の高速化のためにデジカメでポジを写し取ったのでオリジナルの色が出ませんでした。レンズの雰囲気を見るというテストパターンであるとお考え下さい。(汗)(2004.12.8) |
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