からくり鐡道の仲間達

Santa Fe 4-6-4 BlueGoose(Nゲージ)


 blueとgrayのツートンカラーのSanta Fe 4-6-4 BlueGoose流線型機関車と5輌編成の客車をオークションで入手しました。
列車は、オレンジイエローの派手派手しいUPの車輌に比べるとヨーロッパの雰囲気を持つ色合いです。実は、BlueGooseという特急列車について具体的なことは何一つ調べていないのでお叱りをいただきそうですが、今後の楽しみにしていきたいと思っています。
さて、模型は、20数年前、高田馬場にあったKATOのショールームで見かけた流線型のHUDSONと寸分違わぬ構造のようです。異なるのは販売元が米国CONCOR社でmade in Chinaということです。まさか金型を売却したのではないでしょうね?或いは当時も版権がCONCOR社にあったのでしょうか。


従来のHUDSONと違うのは、モーター軸が運転室まで伸び、その先端に装着するフライホールが付属していることです。
 脱線話で恐縮ですけど、模型機関車の多くはモーターの高速回転をスケールに合わせ低速回転にするためにギア比の高い芋虫形のウォームギアを用いています。ところがこの歯車では逆方向に力を伝達できないのでモーター停止と同時に急ブレーキをかけたように列車が停止してしまいます。
本物ならばモータを止めても慣性で車輪が回り続け長い距離を走ってしまうのが天から与えられた法則です。 ところが、模型列車では慣性の法則が成立しないのが当たり前であるということがまかり通っています。この矛盾をなくすために幾つかの方法が工夫されてきました。初期の段階は、この機関車のように精度の悪いフライホールの搭載です。しかしながら効果は今一つです。また、大型車両でないと質量とスペースの制約からこの方法は採用できません。
その後のトランジスターやICなどの電子部品の普及とともに我々は手作りで慣性の法則の復活に努力し解決してきました。最近では、市販のコントローラーにも慣性の法則をシミュレーションする機能を持つのが当たり前になってしまい極めてリアルな世界を楽しめるようになっています。
 加減弁を閉めると次第に減速する状態をコンデンサーの放電時間でモーターへの電力供給時間を制御することで実現しています。前述のようにこの機能は市販の電源に組み込むことが一般的になっており、緊急時であっても一定の距離を走行しなければ止まりません。ブレーキ弁も備え本物同様の操作感を味わえます。もちろん電源を切れば直ちに停止しますし、運転中のトラブルに備えて緊急停止用のパニックボタンを設けているものあります。
更に最近ではNゲージ車両にもモータ軸に精密なフライホールが組み込まれておりモーターの回転系の質量を高めてあります。発車時には電動機が一定の回転数に達するのに時間を要するので電源ONでピューッと飛び出すこともありません。また電源を切ってもモーターは回り続けるのでバタンと止まることもなくなりました。小さな車体が電子からくりの助けを借りず本物と同様の運転特性を持つようになり運転が難しくなってしまいました。ミリ単位の精度で模型のホームに停止させるにはお召し列車の機関士以上の腕が必要になっています。「これを現代からくりの成果でないと誰が云えよう。」です。(笑)
一昔前の古くさいフライホールを見て思い浮かんだことです。

 この機関車の精度の悪いはずみ車を装着してまだ運転したことはありません。説明書に「場合によっては振動が生じて軸受けを痛める。」という脅し文句が書いてあるからです。さすがmade in Chinaと云うべきでしょうか。(汗)
Blue Gooseの牽引する編成を我がレイアウトで疾走させたいのですが、あまりにも狭いローカル線の世界とあって実現できぬままです。何とか本線を実現したいものです。(2004.12.15)







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