からくり鐡道の仲間達

2005.8.5 運転システムの話


 私のからくり遍歴の原点は鉄道にある。国鉄に入社していればまた違った人生だったかも知れない。(笑) 何の因果か通信会社に入ったものだから無い物ねだりが高じて鉄道狂い、しかも模型の世界に遊んでしまったのである。会社生活もあとわずかとなってきたので天与の職場に戻るべく鉄道会社研修・整備が忙しくなっている。(汗)
 このところ本物もどきのライブスティームにのめり込んでいるのであるが、改めて考えると鉄道とは大変システマチックな世界である。この世界に浸りたくてNゲージへも投資をしてきたのである。システムの世界を考えるには運転システムを整備しなければならない。しかしながら貧弱なレイアウトと人間信号機しか有していない鉄道会社では経営も危ぶまれるのでこの際思い切って最新の電子からくりを幾つか導入し評価していくことにした。
といえば格好いいのであるが、ものの弾みでtomixから旧型電車と同じ形式の運転装置と運転席からの光景をテレビに出す車載カメラ付きディーゼル列車が来てしまった。
前者はご承知の方も多々あると思うのであるが、列車に電子的に質量を与え運転しづらくする電源である。(笑)
後者が本邦初公開と言えば大げさであるが、市販の列車に組み込んだ製品としては目新しいものであろう。電波で映像を飛ばす製品はこれまでも色々あったのであるが、モーター用直流に高周波を重畳しこの中に映像情報を入れたもののようである。
直流に高周波を混合して情報伝達や電力供給する手法は昔から模型の世界で利用されてきた。
tomixの製品は鉄道周辺の制御装置システムをTCSと呼称している。ポイント、自動踏切等々面白いものがあり、8月には自動往復運転装置が発売されるようである。
以前はtomixといえばKATOに一歩遅れた二流のNゲージと思っていたのであるが、システム化という観点ではなかなか健闘しているようである。ポイント切り替えはAC電源というのが以前の常識であったが、いつの間にかDC化されている。DC化の効用は扱い安さ、安全性の面から20年ほど前の米国のmodelrailroader誌で語られ推奨されていたのであるが、すっかりDC化された模型界を見て浦島太郎になった気分である。
後生大事に保存してきた英国picoのポイントマシンなど、全く役立たずになった感がする。(汗)
線路も一世代前のtomixは茶色のいかにも玩具風の線路でございますと云うものであった。KATOのユニトラックにしても同様の印象を受けたものである。ところが、最近のものは以前から其処にあった線路然になっており、レイアウトにそのまま敷設しても違和感なさそうである。電気系トラブルの元になるバラストの散布も要らない印象である。線路、運転制御システムそれに車両、これらのものが同レベルに成長しており車両の精密さに面白さを見いだしていた鉄道模型がいい意味で変貌してきているのを感じるこの頃である。
しかしながら、つべこべ言ったとしても運転席のテレビカメラから見える風景は極めて貧弱である。これを何とかしなければ楽しみは半減することに気が付いた。視点を変えると自己満足の世界を打ち砕いてくれるようである。(2005.7.24)







トップへ
戻る
前へ
次へ