からくり整備工場
国鉄9600バーナー芯の交換(2007.2.14) |
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2007.1北裏鉄道新春運転会に久しぶりに国鉄九州型9600で臨み、相変わらずの力持ちぶりを発揮してくれたのはいいのであるが、運転中蒸気圧が上がらないと云う問題に遭遇した。恐らくバーナー芯が堅くなりアルコールの吸い上げが悪くなっていると推測した。この機関車の完成は2002年9月29日である。既に4年3ヶ月を経過しているが、バーナー芯の交換はまだやったことがない。 と言うことは同じ時期に作ったJUMBOにも起きうる問題であるのがちと気になるがまあいいだろう。
問題を発見すると直ちに措置するのがプロなのであるが、個人企業の悲しさで我が家の代表取締役から他の優先すべき業務執行命令が下っていたたあめほぼ一週間放置したままとなった。(汗) 結局機関車が乾燥した頃に取り組むことになってしまった。
下図のようにアルコール・バーナーは、運転室下のバーナー止めネジ2本を外せば容易に抜ける。C622やバークシャーのように従台車を持つ機関車の場合はこうはいかないのであるが、2-8-0コンソリデーションの9600は簡単である。
<バーナーの取り付け状態>
取り外したバーナーは、ご覧の通りである。先端は消耗している感じではなく、推測したように分離しているはずの芯自体が固りアルコールの吸い上げが悪いようである。先端を持って引き上げると三本とも固まったまま抜け、形も崩れない。
<固まったバーナー芯状態>
この機関車の延べ運転回数は他の機関車とローテーションを考えつつ運転しており、さほど多いものではない。 従って芯の下部は新品同様である。このまま捨てるには勿体ないのでケチ臭く芯の上下を逆にして使うことにした。 まず芯をほぐし、更に一本一本縒り直して直線に修正した。燃え痕も縒り直すことで目立たなくなったようである。
<蘇ったバーナー芯>
この芯はその昔アスベスト(石綿)であった。アスベストの方がバーナー芯としては耐久性・燃焼性に優れていたような気がするが、背に腹は代えられず現在はガラスウールになったようである。更に芯の形状を保つために細いステンレス線?を入れてありバーナー管に挿入するのも容易になるよう工夫されている。 バーナー芯本数も燃焼の重要なポイントである。この機関車を完成した頃は長いブランクのためにライブスチーム組立は素人同然であった。 何も考えずにバーナー芯を精一杯詰め込んたためにアルコールが浸透せずに全く燃焼しなかったことを思い出した。 この四年間は25本を束にして運転していたが、24本に変えて少々緩くした。もちろん手では軽く抜けるものの逆さまでは抜け落ちないことを確認した。 このバーナーをボイラーに対して垂直になるよう再組み立てすると作業終了である。
<焚き口から火室を見る。バーナー芯はちょっとボケています>
これならば燃えてくれることだろう。JNR9600のバーナー芯はやや長めに出した方がいいと聞いたことがあるが、定かでないのでこのままとした。 さてあとは試運転であるが、如何なることになるのだろうか。楽しみである。コロ上の運転では恐らく結果が出ないのでいつ頃確認できるのか私自身にもよく分からない。(2007.1.13)
バーナー交換後の運転は・・・(汗) バーナー芯交換後、やってきたのが2月の北裏鉄道運転会である。手首保護と云うこともあり軽量の9600を持っていくことにした。 ところが折角交換したにもかかわらず前回と殆ど変わない走行にがっくりである。目標は安全弁を噴きながら疾走する姿なのである。 やはりバーナー芯の長さが短いのかも知れない。 また、芯を減らしたせいかバーナー管からアルコールが溢れた形跡がある。現状の24本から27本とした。なお推奨本数は30本であるが、ちょっと固いように感じている。 北裏鉄道会員のRC名人Kさんの薦めもあってバーナー芯を新品にし、思い切って長くしてみることにした。 芯の交換は上記の通り簡単である。詰めすぎず緩すぎずに注意してセット、最後にバーナー管が垂直になっていることを確認した。 さて、本日の整備結果でいかがな結果が出るのであろうか。 焚き口から見ると上記写真よりも火室上部を走る水管とバーナー芯が近づいたのでボイラーの圧力維持に期待できそうである。天気のいい日にベンチマークテストをやってみることにした。 乞うご期待(汗) (2007.2.7)
見事に復活! 連休最終日、バーナー芯を長くした9600をベンチマーク台に置き、慌ただしく試運転を実施した。 同じ機関車を連続して動かしていて慣れたせいか、あっという間に蒸気が上がった。 ということはバーナー芯が好調に燃焼していると云うことである。 炎のすぐ上には火室を横切った水管が走り、この管を通る水は瞬時に沸騰しているのではなかろうかと云うくらいに燃えている。焚き口を備えたボイラーはこの確認が容易なので運転している気分になる。 圧力計が4.0kg/cm2近くを指すと安全弁がプォーッという音で噴き上げ、3.0kg/cm2近くでピタリと止まり、ポップ式の動作も正常である。 加減弁を開きドレインを排出するとゆっくり回転を始める。 前回はここから圧力が下がってしまったが、今日は圧力低下も殆どなく回転し続け、カットオフを増すと一回り大きな排気音を上げて動き続けることを確認できた。 もちろん時々安全弁を噴き上げている。 どうやらこれで元気な9600に再生したようである。 というか元々芯が短かったので初めて本来の力を出せるようになったのではないだろうか。 次の運転会出場が楽しみである。
ついでに10ヶ月以上の静態保存機となってしまったC622もベンチマーク台に乗せてみた。ガス炊き機の試運転である。 これも無事終了した。テンダーの水圧ポンプのチェックバルブが固まった感触にギクリとしたが、手押し動作を5,6回繰り返したら良くなってホッとした。長期間の運転お休みは機械にダメージを与えるので注意したい。 本機のガスバーナーは燃焼初期には液体生ガスが供給されるのか不安定であったものの、数分後にはガスタンクに配管された蒸気ヒーターの効果もあってか安定した燃焼である。これまでより強めに燃して様子をみたが、この方が蒸気の発生もよくドレインを開いても蒸気圧低下も少ないようである。
<ドレイン弁を開きました。ドレインが直下に排出されるのが難点>
課題は固定運転ということもあって水位計から水が無くなり水位確認が出来なかったことである。 他の機関車では気にならなかったが、C622では水位計がボイラーから長めの配管経由になっていることに起因していると推測する。実際に走行させた場合は問題ないのでよしとする。テンダーの水タンクの変化で水位をチェックした。 あと、軸動水圧ポンプからの戻る水が結構温かくなっている。ということはバーナーの熱がポンプに伝わり温水温め器として機能しているようである。 他の機関車では暖まっていないようなので火室底面が開いたロコボイラー形式の効果かも知れない。 構造をもう一度見てみることにした。 それにしても常設線路が欲しい(汗) ついでであったが簡単な報告とする。(2007.2.12) |
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