
からくり鐡道運転日誌
Duchessは、運転コロの上で二回走行し今日3度目となると次第にあたりがとれてきたと思われる。気温が34度になるこの日、ボイラーよりも人間が焼き付きそうな中でDuchessとこのところ休車状態のC622を引っ張り出してみた。C622は、既に安定期に入っており順調に回ってくれたのであるが、出だしにガスバーナーの燃やし方を忘れかけていて手間取った。また、水を多めにしてスタートしたところオーバーフローして過熱管に入った水が突然エンジンの回転数を上げるという事象に出くわし、一瞬空釜を焚いたのかと錯覚を起こして驚いた。それを除けば落ち着いた運転が出来た。ガス炊きは夏場の機関車である。
 <久しぶりの運転で埃が目立ちます。(汗)>
Duchessはアルコール焚きなので燃焼は安定しており、短時間に昇圧した。回転前に僅かに潤滑油レバーを開く。いつもながら、凝結水の噴出は意外に少ないまま回転を始める。 負荷をかけて大きめのドラフト音を聞いてみたいのであるが、この状態では危険である。せいぜい動輪を指で押さえたり、車体を軽く押さえつける程度ではしょせんたかが知れている。なるべく低速で慣らし運転に励んでおきたいと思う。そういえば、10数年前に今の車を新品で購入したところ走行距離3,000kmまで色々と制約が付いていた。速度を上げるな、回転数はこれ以下にしろ、規定の距離を走ったらオイル交換しろ云々である。ということはライブスティームの新車にもこの規定は当てはまるだろうと勝手に推測し、もう少し慣らし運転をやっておこうと思っている。 そうすればDuchessの先任持ち主、RC化の伝道師栗原さんの機関車と同様に好調になってくれるのではないかと夢見ているのである。
 <Duchessの運転準備も整いました。>
そうそう、先日栗原さんから素晴らしい走行記録をメールでもらっていた。その一部をご紹介させていただきたい。(ご了解済み。) --------------------- こんばんは、栗原です。
ダッチェスは今日を含めて5回程度走行させましたが、大体感触がつかめてきました。 一番気になる牽引力ですが、空転しなければ、そこそこ満足できる牽引力はありそうです。
先週末、裾野で牽引力テストをしました。 20系客車x4両+2軸貨車(タ2700)x10両位+ボギー有蓋車x5両位で発進OKでした。 でも8/1000の登り勾配の途中で停止してしまいました。この時圧力はおそらく2kg/cm2位に落ちてしまったようなので、もっと修行を積めば登りきれるかもしれません。 結局5〜6両減らして、なんとか登り切りましたが、その時のドラフト音は凄まじく、近くで作業していた内山さんが「3.5インチの汽車が来たと思った」そうです。 裾野では、空転はあまり起きませんでした。
 <裾野で敷設中の余部鉄橋とか>
さて、本日の横浜の東急ハンズですが、残念ながら空転しまくりでオリエント急行の客車2両がやっとという結果でした。(たしかにオリエント急行の客車は、かなり重いのですが) 要するに、レールによって大きな差が出るということです。
前から解っていたことですが、A社のレールは真鍮の引き抜き材で、動輪と比較して柔らかいため、空転しまくりの走行によりレールがツルツルになってしまいます。 裾野で使用しているサンセットバレーのレールの材質は、たぶん洋白?で真鍮と比較すると堅く、表面も適度に酸化していて車輪の食いつきが良くなります。 北裏鉄道では、A社のレールとヒューブナーのレールが混在していますが、最外周のヒューブナーのレールの方が空転しにくい気がします。
ということで、レールを選んで走行させないと、「がっかり」してしまいますので、ご注意を。 動輪の塗装はレールに当たる部分は、ほぼ剥がれてメッキ面が出ています。確かニッケルメッキは鋳鉄より堅いので、ニッケルメッキ部も剥げてくれれば空転しにくくなるのでしょう。 あと、蒸気圧の維持に関してですが、やはり4気筒なので蒸気消費量は多いようで、沢山牽引した場合フルギアのままだと圧力が2Kg/cm2位まで落ちてしまいます。発進後はギアを調整して蒸気消費量を抑える必要があります。通風弁も閉じた方がよさそうです。
牽引力が気になりだしたら、定量的に牽引力を測定したくなってきました。電子てんびんを利用して「牽引力測定車」が出来そうなので、ヤフオクで探しています。
それでは、また。 ------------- 栗原 ------------- --------------------- 栗原さんの客観的な分析内容でDuchessの能力が分かる興味あるお便りである。 彼の推進する45mmRC化プロジェクトが大変素晴らしいので、一冊にまとめてもらいたいものだとアスターの方とお話ししていたばかりである。 内山さんとはライブスティームの大先輩で伊豆エメラルド鉄道のオーナーで、日頃は45mmゲージをチビ汽車と歯牙にもかけない方であるが、さすがにDuchessのドラフトには脱帽された模様である。今度お会いしたときに生の声を聞きたいと思っている。 線路の材質についてこれまで注目していなかったが、牽引力にそれほどの差が出るとは思ってもいなかった。そういえば横浜ハンズの運転会の線路では軽い負荷のB10も空転気味であった。 雨上がりなので滑るのかなと思っていたのであるが、線路のせいだったかも知れない。現在保有する線路は、A社製なので敷設の際には見直しが必要かも知れない。(2005.8.5) |
|
|

|