からくり鐡道運転日誌

2005.8.27 JAM運転会参加


 炎天の8/20にビッグサイトで開催中のJAM(国際鉄道模型コンベンション)に参加?してきました。来年は大阪が予定されているので今日行かねば参加の機会は遠のくばかりです。諸般の事情があるものの無理をして行って来ました。8/14の北裏運転会で盛大に空転していた我がDuchessですが、その原因が後従輪とその上部の給水管との接触であることが判明していました。出発の朝、パイプに木片を当てて曲げを試みたところ、うまく補正できたので持参する機材を急遽JUMBOからDuchessに変更し、ぶっつけ本番で試運転をすることにしました。
ビッグサイトまでは近年開通したりんかい線を使えば新宿から直通です。意外な便利さに感激。 現地到着は、9:20。 既に多くのメンバーが準備を整えているのには驚きました。
何とも云えない暑さが今日一日を祝っているかのようです。(笑) そういえば今夕は多摩川の花火大会とか。関係ないですね。
YLSC(横浜ライブスティームクラブ)の機関車が数多く集まっております。45mmの機関車がこれだけ集合することは滅多に無いでしょう。特に一般のギャラリーにとってはまたとない機会です。もっとも、北裏鉄道に参加させてもらっているおかげで私にはごく当たり前の光景です。あそこは世界で一番大型機関車の密度の高い鉄道なんです。

 今回も例によって自分の機関車中心に記録を残すことにします。実を云うと機関車を持っていくと運転に追われて他人様のモノまで見る余裕がありません。従ってレポートもどうしても自己中心になることをご容赦下さい。

 午前の運転はブルートレインの車両が空いていたのでこれを引かせることにしました。さすがに貨車牽引はDuchessには似つかわしくありません。 客車が一両も存在しないわがからくり鉄道の大きな課題です。もっとも線路敷設もまだですけどね。(汗) この客車を6両連結することにしました。

   <疾走するDuchess。 午前中の姿>

バーナー点火後2分もすると圧力が1kg/cm2迄上がったのでブロワーを蒸気に切り替えるます。通気ノズルが2本ある効果か一気に昇圧していきます。安全弁が噴いたところで加減弁を僅かに開きエンジンを暖めます。車体を前後し煙突から水が噴出させると準備完了です。ここで連結器に客車ををつなぐのですが、自動連結器に統一されているYLSCの客車では欧州型連結器とのプロトコル変換車両が必要です。この車両をテンダー直後に連結し此の機関車にとって始めての重量編成が出来上がりました。
 加減弁を90度程度開くと四気筒のDuchessは、力余りなのか空転が目立ちます。この日も空転気味ながらブルトレを引いて発車しました。いったん走り始めると次第に速度を上げ本物の特急さながらの快調さです。加減弁を更に10度程開くとスケール速度200km/hと思えるぐらいの速さで疾走するとギャラリ−から歓声があがります。
加減弁を全開はこの編成だと100度ぐらいのようです。速度を抑えるため半分程度に戻し、機関車に随伴しながら弁を4回転ほど中立点側へ戻すと速度が更に落ちて排気音が大きくなります。その状態でしばらく走行させることにしました。 水位計の変化を見ると軸動ポンプの作動は順調のようです。エンジンの蒸気消費量とボイラーの蒸気発生量がバランスしているのか、安全弁を噴くことなく圧力は3.5kg/cm2で安定して走り続けます。約40分ほど走って燃料が切れたので運転終了です。
ところが、この暑さで誰もテントから出て運転しようとしません。 「それではまた」ともう一度走らせることにしました。当然のことながら更に30分以上小気味よい排気音をたて走ってくれました。運転終了間際になって、今度発売される米国型バークシャーと併走するという珍しい光景となりました。何故か待ち遠しい機関車ですが、実際に運転会等に現れるのは来年の模様です。
このあとは三丁目の夕日に出演した千葉さんのC62にバトンタッチしました。

     <バークシャーの牽引光景。市場登場が楽しみです。>

 午前中の客車は軽目だったのか納得いく走行でした。ところが、午後は客車をチョコレート色の懐かしの旧型6両編成にしたところ空転が目立ちます。加減弁を開くと空転、閉じると低速運転で午前中の軽快さがありません。「スローで走らせるのは難しいんだ。」などと減らず口を叩いておりましたが、実は「空転が何とかならないものだろうか、この機関車はこの程度引くので限界か?或いは設計ミスか」などとマイナーなことばかり思案していました。北裏鉄道で見つけたトラブルは解消して人並みな機関車になりましたが、今度は空転に頭が痛くなってしまいました。(汗)
空転が激しいのは、動輪と線路の粘着力が弱いからです。と言うことは車体が軽いせいかも知れないなと基本設計を恨んでしまいました。
或いはレールと動輪の摩擦が小さいせいかも知れません。もしそうなら車体を少々重くしても効果はありません。
 動輪のタイヤ面を見ると新品時の艶消し黒塗装はきれいに剥がれニッケルメッキが妖しく光っています。僅かですが下地と思われる銅メッキが見えている点があります。多分銅メッキ層の下がアスター自慢の鋳鉄車輪本体があるのでしょう。
ここまで磨耗しなければ本来の牽引力が出ないのかも知れません。
それでも本日はまずはよく走ってくれたと満足し帰路につきました。

 JAM翌日、栗原さんが私のブログに書いてくれたコメントによるとなんと彼のDuchessは第3日のJAMで客車10両を引いて快走したとのこと。信じがたい話です。深夜に種明かしメールをもらいそれによると動輪タイヤのニッケル面を削って銅面を出したとのことです。これで空転の呪縛から抜け出したとありました。ということは動輪の摩擦係数が小さくて粘着力が弱かったようです。レールのせいとという推測が外れ安心しました。疑いをかけたA社のレールさんごめんなさい。
次回の北裏運転会までには何とか措置したいと考えています。

いつもの整備としてエンジン及びボイラーの水を圧縮空気運転で排出し、下回りのチェックをしました。大きな問題はなかったのですが、不具合を少々見つけて手直ししました。それでも一日中負荷をかけて走らせた割にはおかしい箇所も少なくて安心しました。スライドバーの摺動面に地金が出ている箇所を見つけました。組立誤差があったようです。このように磨耗して軽くなっていくことがあたりがとれたというのでしょうか。半透明のモリブデン入りグリスを注入した箇所で真っ黒に変色しているところとそのままの箇所があります。その箇所は、回を追って少なくなっていくのであたりが十分にとれれば黒くなる箇所はなくなるだろうと勝手に推測しています。
今後の参考として今回見つけた不具合は次の通りです。

・前面緩衝器(バッファー)の止めねじ紛失。
・ボイラー後端の車体取り付けねじとシリンダーカバー止めねじの緩み。
・給水バルブレバー止め用のイモねじ

激しく運動していたエンジン周りのネジは緩んでいませんでした。 締め増しは自分の馬鹿力が怖いので止しました。(汗)

 今回はJAMを楽しむと云うより自分の機関車を走らせるのが精一杯で展示をゆっくり見る余裕などありませんでした。とはいえ新しい模型鉄道のトレンドは掴んできたつもりです。バーチャルからリアルへ、遊びの世界でも昔に回帰しているのではないのかなと云う感想を持つほど楽めた一日でした。(2005.8.23)







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