からくり日記

2005年03月13日

ロボットが人気だそうだ

 ロボコンという番組が大流行の予感というか、既に流行っているようである。日曜日夜の番組なので既にご覧になった方も多いと思う。出演者は二本足歩行のロボットであり、思い思いに設計した一組がリングの中で戦って相手を倒すというたわいもないゲームなのである。ところが意外にも引き込まれてしまうから面白い。簡単に云うとラジコンのサーボモーターを10-20個関節に組み込み、これをマイコンであたかも人間の動作のように統制をとって制御するのである。その動きたるやSONYのAIBOなどは足元に及ばぬ速さである。さすがに動作と動作の間はデータの読み込みか解析のせいなのか分からないが動きが止まってしまう。ところが、動き始めると前転、後転はたまた側転までやってのけ、決め技のパンチを繰り出している。小さなボディでちょこまかと人様に匹敵する動きをするところが受けているのであろう。
「どーせすぐに鎮静化するさ。」とたかをくくっていたが、家人はいたく気に入っている。「お父さん、どーせやるならこんな趣味がいいよ。」と驚くべき発言まで飛び出す始末。これに乗せられて導入したら我が家計は火の車でどうなるか分かったものではない。でもこれが千載一遇のチャンスかもしれないと悩むこの頃である。
 単なるサーボモーターを沢山並べ、それぞれに役割を持たせつつ整然と連係動作をさせる。このプログラミングが実は大変なのである。カミの創りたもうた人間と同じ動作をさせるにはデジタルではかなわないのであって、アナログな動作がすべてである。しかしながら多数のデジタル動作を重ね合わせてあたかもアナログ動作であるように模擬することはできる。これを利用したのがロボコンのロボットである。アニメ映画撮りのように一齣ごとの動きをパソコンに記憶させ、これを連続動作させると人間のようなアナログ動作を再現する記録モードを持っている。これを使うとある程度アナログ動作を再現できるというのである。なるほどと思ったもののサーボ一個一個の力のいれ具合は記録されないのでどのような補正を行うのかと思っている。さて現実はいかがなものであろう。これ以上は実物を入手しなければ分からないことなのかもしれない。
実はロボットでは痛い目にあっている。というのはSONYのAIBOである。今や話題にものぼらないようであるが、当時は世の中がブーム。軽薄な私も乗ったものの今や我が家の片隅で眠ったままである。14年飼っていた愛犬のラッキーが死んだこともあり、犬と聞いて反応した。飛び跳ねる子犬をイメージしたのが敗因である。 ところが、モタモタとした動作、いくら教えても不明瞭なアクション等々が続くとつい放置してしまう。手をかける割に戻りがない。ペットはそんなものだとおっしゃる向きもあろうが、これならダイレクトに反応が戻ってくるのが楽しい。なまじ人工知能に期待したのがいけなかったのである。
 ロボコンのロボットの場合はどうやらそんなことはなく、指示した動作をダイレクトに実行する仕掛けのようである。それはそれで物足りないかもしれないが、江戸からくりの弓曳き童子のように失敗動作を組み込むことで人間味を出すという芸当もできるかもしれない。
いずれにしろ当分は手元に置かず、世の中の反応を見つつ楽しみたいと思うこの頃である。
カメラを通じての畏友である慶応大学のN先生によればアメリカではロボコンでなくラジコン操作の車戦争が盛んだとか、余りにも激しいので部品が飛んでこないようにガードされたリング?中で戦わせているそうで、国が変わればリモコン格技も全く違う形態のようである。(2005.3.6)







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