からくり鐡道の仲間達

昭和60年(1985)入手 UP Bigboy(N)2007.7.17追記


 米国東部の工業製品をロッキー山脈を越えて遙かな西部地区に大量に運ぶために大戦中にチャレンジャー型の後継として開発されたUP(ユニオンパシフィック)4-8-8-4マレー型機関車です。日本の敗北の一因にこの強力な機関車があるのかも知れません。
 この機関車についてはあまりにも多く語られているので、ここでは手元のNゲージ模型について書いてみました。本当はアスターのライブスティームを眺めながらここに書きたかったのですけど現実は厳しいものがあります。(笑)
 この模型を入手したのは昭和60年、単身赴任から開放されたものの次の激務で暗い生活に陥かけた時に気分転換のために赴任手当を充当して入手しました。思えば、この様な会社人生の連続でありましたなぁー。

  <新レイアウト上を行くBigboy>

 この機関車は、伊太利亜リバロッシ社の製品であり、「NゲージのBIGBOY発売!!」と当時の模型雑誌を大いに賑わせてたいたものです。
内部の構造は独逸ROWA(レーバ)社のNゲージのマレー型Y6bと同様に1モーターからウォームギアを介して8軸の動輪を駆動しています。Y6bではプラスチックだったので折れやすかったロッド類が耐久性を考えて金属になり少し簡略化されています。これはリバロッシ社の得意とするデフォルメ手法ですが、それでいてBigboyの雰囲気を良く捉えた秀逸な製品に仕上がっています。
 この機関車特有の巨大なテンダーは、一組の2軸ボギー台車と5軸の百足のような車輪群です。この炭水車の中は大きな空間なので鉄道車輌の電子化プロジェクト(汗)の一環として蒸気排気音ユニットを組み込むこととしました。車軸の一つに微少なフェライト磁石を接着し、リードリレースイッチをon/offするようにしました。これで車輪の回転に同期してあの蒸気機関車のドラフトを表現することができます。
「なるほど、これはいいや」。少しエコーがかかったような排気音がテンダー内の小型スピーカーから鳴り響きます。2組のエンジンには、磁石を2個付けて2組のドラフト音を疑似するのが正しいのですが1/160の縮尺のマレーではこれで十分です。欠点は、低電圧時には回路の制約で音が出ません。蒸気機関車の醍醐味は、発車時や登り勾配を喘ぎながら上るときの力強い排気音です。でも、低速になると音が出ないとは・・・・・・矛盾する装置です。(汗)
これを解決するために電圧固定で電力をスライスしてエネルギーを供給するチョッパ式電源を導入しました。これを使えば低速でも高電圧を供給できるので蒸気音を発生することができます。機関車の速度に合わせてドラフト音が鳴り響き、本物を見ているような気分にひたることができます。改造したので製品価値は半減と思いますが、楽しみは倍増しました。

<キャブには機関士を配置できました。コードは音声装置電源用>

望むらくは、BIGBOYが疾走しても恥じない大型のレイアウトの建設(Nゲージです。)でありますが、小ゲージですらなかなか実現することができません。汽車ポッポへの精進が足りないのを恥じています。(汗)(2004.11.14)

2007.6にやっとレイアウトを実現できました。 ライブスチーム仲間のKさんから譲り受けた完成品です。 しかしながら日本の蒸気機関車全盛時代をイメージしたレイアウトの曲線は米国の大型機が通過するには厳しいものがあります。機関車によっては全く不可能なものも出てきてしまいました。例えば前の項で紹介したSP Cabforwardは、その構造が本当のマレー型であるために緩やかな曲線でなければ通過できません。もっともこの機関車を走行させられるレイアウトは日本には存在しないのではないかと思うくらいの機関車ですから直線専用の遊園地専用かも知れません。(汗) しかしながら、KATO製の4-8-4マウンテンが走行できません。これは盲点でした。 モータ損傷から復活させたY6bはレイアウトをギリギリクリアしました。 肝心のBigboyは前進は無事クリア、いずれも欧州製の機関車ですが、運転を楽しむ機関車の勘所は心得てあるようです。 しかしながら後進の場合は曲線を通過したあとにキャブの屋根がトラス鉄橋やトンネルポータルにぶつかる箇所が出てしまいました。 これでは安心して運転できないのでやっぱり緩曲線の路線が必要です。畳一畳から若干はみ出すことになりますが、もう一本外周線を新設することを考えています。 大型機の走行、日本型との混在 、何ともちぐはぐな姿になりますが、レイアウトはそもそも夢を具現化したものです。仕事と違って型にはめることもないと、この一ヶ月我が家の鐡道を眺めて思った次第です。 Kさんからのレイアウトを運用し本格的なレイアウトを持つ悩みに触れた思いですが、人生を楽しくするためのものだと割り切って色々チャレンジしてみるつもりです。

 <こんな機関車も堂々と走るレイアウトも楽しいと思います。>

 その時の気分でアメリカにワープしたり、日本の片田舎をコトコトと走ってみたり、走る列車ではなく住人の振る舞いを眺め、その向こうに走る列車を感じるという様々な世界を味わえるのもレイアウトの醍醐味だと思えてきました。今更ながらこの道の面白さを感じ始めています。金を失う道ではなく、鐡道です。(笑)(2007.7.18)







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