バークシャー製作日記

2005.12.22 C575余談2 空気で動いた


 ここまで来たら動作確認である。午前から午後にかけて用を終え帰宅後、コンプレッサーを取り出した。
早速給水栓に送気パイプをつないでスイッチオン。しかし静かである。ブロワーを開いても給気したはずの空気の噴き出しがない。圧力計は0を指しているが、空気を送っている圧縮機側は3kg/m2である。と言うことは給水用のチェックバルブが固着しているようである。ボイラーも分解しなければいけないのかぁー、まあ仕方ないなと思ったものの試しにチェックバルブにコツンと衝撃を与えたところ通気が始まった。 と言うことは何度か慣らし運転を行えば分解せずに済みそうである。 このあとはしばらく通気を繰り返すと安定して空気が入るようになった。これならば注水することで更に良くなりそうである。
次に、安全弁の心棒を引いて動作を確認したが、片側が噴き出さない。外してチェックすると中が真っ白で詰まりかけている。ボイラー側のねじ込みの中も真っ白である。どうやら片側だけで動作していたようである。安全弁の運転前動作確認は常識のはずなのにこれでは以前のオーナーの運用を疑ってしまう。そういえば安全弁は堅く閉め込まれていたので片側は殆ど外す気はなかったのかも知れない。 或いは初心者でそこまで気が回らなかったのだろうか。
転ずればこのようなライブの機関車が国内に沢山転がっているのだろうなと思うと冷や汗をかいてしまう。特に小型であればあるほどいい加減な運転がまかり通っているのかも知れない。 皆さん安全運用に注意いたしましょう。

ということで安全弁内部の固着した水垢をピアノ線で丁寧に除去しつつ圧縮空気で内部の粉を吹き飛ばしておく。綺麗になったところで機械油を差しておいた。
 長期間(10年程度か?)動かしていなかったエンジン内部は油が固まって動かないかも知れないなと思ったが、押し回しでまずまずの軽さで動くのでこのまま動かしてみることにした。
シリンダーオイルにだけでは重いのでミシン油を混ぜて軽いオイルとして潤滑油タンクに封入した。


3kg/cm2で通風弁を開く、無事通気。ついで加減弁を開くと見事に動き出した。これで難問突破である。排気口から潤滑油が時折排出され問題なさそうである。逆転方向も無事回ってくれた。

  <無事回り始めました。良かった(笑)>

運転しながら機関車全体をチェックする。 加減弁や通風弁の根元から空気が漏れている。 現代はOリングを入れるのでシールは安定しているが、グラファイトヤーンを巻いた当時の組立法ではよく起きた事象なので、軽く締め増しすることで無事直った。
ピストンと弁についても同様に軽く締めておくことにした。

煙室扉、ランボード、キャブと分解後保管しておいた部品を探し出して組立手順を整えた上で今日の作業は終了である。これからの運転に備えてバーナー芯、シリコンチューブ等の消耗部品もJNR9600用として購入していた予備が在庫していたのであと一歩である。





トップへ
戻る
前へ
次へ