ライブスティーム雑記帳

思いつくままの運転技術(3)  追記(2006.4.15)


ラジコン化について

 ライブのラジコン化については経験が殆ど無いので放棄していたところで、ラジコン名人の栗原さんから早速コメントが送られてきた。貴重な話なのでかいつまんでご紹介しておくことにする。 いいですよね > 栗原さん
後にも先にも唯一ラジコン化したのは20数年前、Climaxである。このRC化は加減弁は開いた状態で、1chを使って逆転機を前後するという単純なものである。中立にすれば当たり前であるが蒸気がエンジンに供給されないので停止するのである。弁調整をきちんとやることと加圧下で弁を動かすのでトルクの大きいサーボを選んだ記憶がある。併せて操縦するスティックのバネを外してクリックを付けて弁の位相を保持できるように改造した。これだけでも自在に操縦できたので当時は楽しくてならなかった。当時市が尾にあったYLSCのレイアウトを疾走してくれたのである。

ところで、栗原さんの給水及びドレインに関するRC化へのコメントをHP向けに編集し以下にご紹介する。豊富な経験に裏打ちされたラジコン化推進委員長の解説はなるほどごもっともである。

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(栗原氏メールより)
 アスターの軸動給水機の設計は、通常(?)の高速走行の場合に少し給水オーバーになる設計のようです。
 RCで走行させる場合、一般的に速度は遅めで、停止、発進などの頻度が高いので蒸気の消費量も多く、リターンバルブ締め切り状態でも、給水不足気味になります。
ということで、常時給水状態(リターンバルブ締め切り)であっても過給水にはならないのでリターンバルブをRC化する必要はなさそうです。
ただし、登り勾配走行時には給水を停止してボイラ圧力を上げるのでバルブを開いて水を戻す場合があります。

(店主追記
 某鉄道のような変化に富んだ長大な鉄道会社を除けば一般の線路では勾配があっても僅かなので締め切ったままでよさそうです。 また、高速走行をさせると確かにボイラーが溢れ気味になります。RC化すると中低速中心となって給水を気にしなくていいのですね。)

 ダッチェスでは走行開始時の通風弁操作のタイミングを次のように変えてみました。
通風弁を閉めると燃焼が衰えてボイラ圧力が降下するので、加減弁を開けたままで機関車が走行を開始して加速し始めたところで通風弁を閉めるように変更しました。 そうすることで、起動時に通風弁による燃焼が継続しているので最大の圧力をかけることが出来ます。 その後、速度が上がったところで蒸気消費量を節約するため、逆転器を戻します。 そして、この通風弁を閉めるタイミングでドレイン弁を開けることができれば、本物と同じ雰囲気を出せますが、それはまだ実現していません。

   <Duchess の走行シーン>

私(栗原氏)が所有するドレインコック付き機関車は北海道型9600と未完成のC62だけですが、9600の場合、ドレイン弁はエンジンブロックの暖気と水抜きのために蒸気上げの時に開閉します。 具体的には、蒸気圧が3.5Kgf/cm2を超えたあたりでドレインコックをあけて、加減弁を開いて逆転器を前進/後進切り替えながらシリンダ内の水を抜きます。 発進しない程度に加減弁を調整すれば、エンジンブロックの暖気として機能します。

 走行時には実機のように開閉する必要はありませんが、発進時に実物と同じ雰囲気を出すために開閉するくらいです。でも、9600の場合は、ドレイン弁を動作させるとボイラーの蒸気発生能力が追いつかず牽引力が激減してしまうために長時間動作させることは無理のようです。
といったことから、1番のライブスチームでも中型機以上ならば、実機に近い細かな操作を楽しむことが可能です。 そのためには上記操作をRC化することが必要ですね。

以上、RC化推進委員長の栗原でした。
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 栗原さん、大変ありがとうございました。さてさて私の機関車はRC化がいつできるのか気が遠くなりそうです。(2006.4.17)







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