ライブスティーム雑記帳

ボイラー様々(1) (2008.6.29)


 これまで体験した模型蒸気機関や蒸気エンジンの力の素となるボイラー各種をからくり劇場の観点から考えてみた。 まあ、理論的なことどもについては殆ど語れないので使ってみての感想というものになりそうである。これまでを振り返ってもボイラーに注目することもなく淡々と進めてきたので大した記録も残っていない。気まぐれに思いついたテーマと思っていただきたい。

 ボイラーという言葉を知ったのは随分昔のことである。小学校に上がる前かも知れない。 蒸気機関車のボイラーだったのか、近所にあった廃業して間もないお風呂屋のボイラーだったのか定かではないが、おそらく前者のような気がする。昭和20年代後半、既に半世紀も前のことである。思えば遠くへ来しものだという心地である。(汗)
その頃耳にしたことが未だに尾を引いているのだから、三つ子の魂百まで とは古人の云うことは大変素晴らしい。
実際のボイラーを目にしたのは蒸気機関車である。 佐世保線・高橋駅で長時間停車の蒸気機関車に遊んだ話は以前紹介したので割愛するが、この体験が今の趣味につながっていることは否定できない。
 いまや大先生(笑)となった幼馴染みの稲富くんがどこからか持ってきた壊れた定置型エンジンのボイラーが初めて触れた模型のボイラーである。勿論これはさっぱり動かなかったのであるが、結局どう処置したのか定かではない。このHPの何処かに書いたような気もするがガラクタ箱状態なので見つからない。(汗)

長い前置きとなってしまったが、模型ボイラーのオーナーとなったのは昭和48年のことで首振りエンジンの定置型模型である。このボイラーは固形燃料を炊く丸胴の炙り釜である。これ以来、機関車を含めて炙り釜のボイラーが続いた。好きというわけではなく、安価だからである。(汗)

(追記)
  以下数項にわたる記事の中でボイラー断面図をアスターホビー米国のサイトから拝借しました。
お認め下さい。いいですよね > 日本の F社長様( 追記 2008.8.14)




この炙り釜の模型は種々雑多であるが、思いつくだけでも ロードローラー SHAY等がある。

 先に紹介した昭和48年の炙り釜は、横浜の和田模型店(今のワダワークス)で仕入れた定置型エンジンである。エシャビットという今でも入手できる固形燃料がエネルギーの素である。潤滑油タンク等無い丸胴ボイラーでその中にミシン油を少々垂らしておくことがスムーズに回転するためのノウハウと知るまでちょっと苦労したものである。(汗) 

その直後にやってきた炙り釜は苦労して入手した玩具のスチームロードローラーである。三十数年経過した現在も健在であるのは驚きというほかない。



 その二十年後、同じメーカー製の蒸気消防自動車がやってきた。 これらのモデルは独逸Wilsco社のものであり安価にして長持ち、独逸の金属玩具の象徴のような気がする。
が、炙り釜と思っていたのであるが、この写真を見てアップする段階で慌てて修正。(ペコリ) 消防車のボイラーは縦型、炙り釜より進化して真ん中に煙管が通っている正真正銘の煙管式であった。映画「アフリカの女王」に出てくる蒸気船のボイラーと同じ形をしている。





更に一昨年神田氏の元より到来したのは独逸フライシュマン社製大型定置型エンジンである。 これは燃料をアルコールランプ式に改善されており、動かしてよし、飾って良しの優れもの。しかしながら大型のボイラーが炙り釜では暖まるまでが大変である。水量少なめでの運転が肝要である。



入手順序が逆になったが、昭和五十二年に札幌で仕事をしていた頃に来たライブスチームがアスターのSHAYである。 この機関車は初ライブスチームであったもののその後、別の趣味のために譲渡してしまった。 ボイラーは140CC程度の小型ポット式、つまり丸胴炙り釜であった。 模型ボイラー形式には色々あることを認識するきっかけになった機関車である。 それまでは単に円い筒であればボイラーでり、その構造などはどれも同じであると思っていた。(汗)  スミシス式、煙管式など色々あることに驚愕、とても自分では製造不能だとも思ったものである。 アスターさんありがとう。(笑)

さて、札幌では更に新しい機関車を買ってしまった。ボイラーの下部に水管を持ちアルコールバーナーの炎の中を横切るのである。ボイラーの表面積を水管で拡大したスミシス式ボイラーである。 丸い炙り釜と比較すれば技術の進歩である。アスターが会社創立の節目の年に十万を切る値段出だした国鉄C12であったが、まあそれなりの出来だったと言っておくこととする。 スミシス式はこれだけである。

前期ライブスチーム人生での最後の買い物がセンタフリュー式CLIMAXである。この機関車には燃焼の難しさに今でも泣かされているのであるが、六軸全輪駆動の歯車方機関車に惚れたのか、少々不調でもいい機関車だと言う評価を続けている。 つい先日(6/22)も土砂降りの中を疾走してくれた。 機嫌のいい時は驚くほど好調で悪天候をものともせずに疾走し、我がからくり鐡道の屋台骨を支える重鎮と云っていいだろう。



この機関車のボイラーは、その両端の鏡板を貫通する燃焼管を持つ船舶模型に多いセンターフリュー形式である。 この中にガスバーナーを入れて燃焼させるのである。ガスノズル根元の空気供給口とガスコックを微妙にコントロールして燃焼させるためちょっとしたコツが必要である。 初めてのガス炊きであったので燃焼を安定するのに大変苦労し、更にはその苦労が現在まで続くとは思いもしなかったのである。 このノウハウはどこかに記録しておいた方が良さそうである。とりあえず先日の運転会模様ブログに燃焼のコツをメモっておいたので興味ある方はご覧いただきたい。



Climaxが到来して以降は、生活に追われて2001年までの14年間パッタリとなりを潜めたライブスチームであった。長い潜伏期間だったものである。(苦笑)


さて最近は炙り釜を扱う機会もなくここに至っているが、ライブスチームの原点は丸い胴の炙り釜にあるのかも知れない。
ボイラについて思いつくまま書いてみたが、やっぱり理論的なものは無理なのでこんなものになってしまった。 この先最近のまともな?機関車のボイラーについていずれ紹介しようと思っている。手元にある機関車中心なので偏っていることは御容赦いただきたい。

こんなものになりそうである。私のメモみたいなものであるから期待せずお待ちいただきたい。(汗)







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