BR 9F Eveningstar製作記録

2008.2.20 エアテストまでの道のり


 風邪引きのためなかなか効率が上がらないまま、エアテストの準備を2月16日から始めた。
ピストン弁の調整は説明書通りでいいのであれば大変楽である。 が、例によって組立誤差の積み重ねなのか弁の前後のラップ長が全く同じにならない。ほぼ同じ値でよしとした。これでエアテストが可能である。

エアテスト環境はまだ先の工程の部品箱から過熱管、ゴム管などを掘り起こして作り上げた。

使用する空気圧縮機は、20年ぶりにライブスチームを製作(JNR9600)するときに、購入したのであるが、機関車の保守を含め大変重宝している。出力は頑張っても3kg/cm2弱の可愛いものであるが、耐圧試験や安全弁調整を考えない限り一番ゲージには十分である。45mm程度の機関車を楽しんでいる方には場所もとらないのでお薦めである。

 エアテストは、この圧縮機で直接エンジンに空気を送り込むのであるが、何回やっても初スイッチの瞬間は緊張するものである。特に今回は初めてのピストン弁なので快調に回ってくれることを期待した。 のであるが・・・・・(汗)

なんと一瞬くるっと回り、勢いよく排気口からエアを噴き出すだけである。手回ししてもちょっと回っただけで停止する。圧縮機の圧力計は1.5kg/cm2程度を指しており、エアは軽い抵抗を受け抜けている状態である。 使用した油は指定通り軽い機械油であり、説明書には簡単に回転するような記述なのですっかり焦ってしまった。 油を重くしてみればと思って、運転に使っているシリンダー油を注入して動かすと、「回った!」 が、油が抜けると元の状態である。 逆転弁を中立にしてみると盛んに排気口から吹き出している。と言うことはピストン弁のピストンリングが効いていないようだ。
これですっかり土壷にはまってしまった。この後あちこち考えられる調整に取り組んだのであるが、結果から云えばやらなくていい調整を何度もやることになってしまった。スライド弁の場合は問題なく納得の回転を得るのであるが、ピストン弁は全く状況が異なっていた。 しばらく悩みそうである。それでも、堅かったクロスヘッド部を再調整し軽くできたのでこの点は結果オーライであった。



エア漏れについてはアスターに問い合わせたものの回答が曖昧である。これでは埒があかないので作成経験あるT田さんに問い合わせると。 「蒸気が入るとピストンリングが少し膨張し、漏れは無くなるのでこのまま進めていいですよ。」と言う心強い回答を得た。 更にはアメリカのアスターサイトからこの機関車の製作レポートとこの著者の製作した9Fの走行映像を You Tube を発見した。この内容では私と同じことを既に経験していることが分かった。後追いになってしまったが、ちょっと安心した。

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As suggested I connected an airbrush compressor to the chassis and oiled the cylinders and the piston valves well.
Then the compressor was switched on. I was somewhat irritated by the fact that there was a constant flow of air going up through the blast pipe 5-14 as if there was a leak anywhere. I didn’t know such behaviour from engines with slide valves yet. What was the reason for this? I still don’t know it and would want to blame the piston valves for this (but please read on before damning me for this thoughts…).
Despite from this the chassis ran well down to less than 1 bar of air pressure. The leak (if there was one at all) couldn’t be too bad. Nevertheless I called up the only man with 9F experience available at that time, namely Andrew Pullen.
Andrew was not aware of any problems with the piston valves on the prototypes and came to the conclusion that this would probably improve when running the engine on steam, as hot steam would expand the piston valve. And so I went on to the next stage, what else could I do.
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Aster British Railways Standard Class 9F Assembly and Test Report
By Markus Neeser  より引用


重要なことなのに日本のアスターではエアテストのノウハウを何故即答できないのだと腹立たしく思ってしまう。これでは困りものである。 日本の販売台数が僅かなせいかも知れない。まあ、自己解決出来そうな人が購入したので放置しているのだろうか。改善を検討して欲しいものである。

それはともかく、これで安心して作業を進めることとができそうである。更には上記の9F製作レポートも手に入ったのでこの先ちょっと安心できそうである。このレポートではEvenigstarは好評である。(2008.2.20)





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