BR 9F Eveningstar製作記録

2008.2.16 エンジン組立と弁調整


 さて、エンジンに着手したからには一気に進めたいのであるが、やはり手を着けられなかった。 上京中の義母が帰熊したタイミングで組立と弁調整に取り組んだ。 ピストン弁のこのエンジンの組立はこれまでのスライド弁に比べて大変簡単である。とはいえ、完全な自作となると高度の技量を要すると思われる。というのはピストン弁の削り出しには高い精度が必須であり、5箇所の蒸気給排孔の銀ロウ付けを含めた弁シリンダーは更に高スキルが要求されそうである。 完成した部品をプラモデルのように組み立てるアスターホビー社のキットでは自作派の方からは文句が出そうであるが、短期間での完成と確実な運転をお金で買った訳なので勘弁していただきたい。(汗) それでもこの手の機関車の組立調整はなかなか難しいのである。ただ組み立てただけでは間違いなく動かない。 還暦の身にはこの程度のストレスが丁度良いように思っている。

 ところでシリンダーブロックにシリコン製Oリングをはめ込みシリンダー弁を確実に差し込んでネジ止めすれば弁とシリンダーブロックがかっちり組み上がってエンジンが出来上がる。 これまでのスライド弁機関車の組立過程を知っている者にとってあれよあれよという間に完成したという印象である。


シリンダー弁軸の長さを9.5mmにするのが唯一気をつかう箇所であった。が、結果的に弁調整段階で0.3-4mm変化させることになってしまった。エアテストで及第するか気懸かりである。



両側のエンジンをこんな具合に組むのであるがあまり簡単なのでエンジンとエンジンの間に排気管を差し込むのを忘れ片側を外して再組立となったのはご愛敬である。排気管に付くOリングが大きすぎるのではと言う話もあったが、注意深くはめ込むと無事凹みに収まった。排気の漏れを確実に遮断するためにぎりぎり一杯のリングサイズにしたというのはメーカーの弁である。排気ノズルは二本になっているが、内部では一体であり普通のエンジンの排気口が二本なので背圧が少なくなるのであろうか? Duchessの場合ダブルスタックの効果は絶大で、燃焼が大変スムーズである。この機関車は果たしてどうなのか楽しみである。



エンジンはとりあえずこのままで、逆転弁と加減リンクを結合した。これはリンク棒を181.7mmという長さにしなければいけないのであるが、ノギスでは150mmまでである。先端のリンクの部の方向もあるのでそのものズバリの精度は困難であるが、金属スケールでほぼ同じ長さを確保出来たと思う。

 さてこれから弁のリンクを完成しなければならない。イギリス型は各部のクリアランスがぎりぎりで、以前作ったDuchessでは微妙に接触があり、主連棒が湾曲するという事故があった。このことを頭に入れて取り組んだ。
部品に少々バリがあったものの大した苦労をせずに組立上がった。



 この後、リターンクランク位置と弁前後の露出長のバランスをとる弁調整を行ったのであるが、なかなか前後のバランス取りが微妙である。おまけの前進後進でも微妙にズレが出る。この原因は一体何だろうか。やはり中立位置がきちんと出ていないのかも知れない。ということで行ったり来たりしてとりあえずほぼ同じで具合に持っていった。 エアでどのように動くのか。この結果で再び調整が出てくるかも知れない。先を急いでしまうと後戻りが困難なので時間をとってゆっくり臨もうと思っていて居る。(2008.2.16)





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