クラカメ好きですか


ペンF 再び(2008.4.18)

春の青春18切符で4月2日に長野へ出かけた。
最近、再びクラカメ熱が首をもたげてきたのでオリンパスペンFを携えることにした。小型で軽いのも旅に適しているのである。

実は、このところ使いたいカメラを選別する気持ちで使い始めている。これはいいと思うお気に入りカメラを絞り込んでいくのである。 ところが、好きなカメラは結局同じ種類に収斂しそうで結論ありきのお遊びになりそうな予感がする。 もちろんペンFもこの仲間である。

 ところが、このお気に入りのペンFが長野・善光寺で壊れたのである。しゃったを切り終えても暗転したまま。 ミラーが戻らないのかとレンズを外すと、ミラーがボディの中に転がっていた。こんなことがあるのかと呆然・・・・
この壊れ方は接着剤の耐久性の限界だろうか? 40年近い時間が接着剤を劣化させたのかも知れない。
オリンパスの銘機ペンFであっても時の流れには敵わないのであろう。 幸いミラーは無傷、再接着すれば復活できるのでホッとした。

先日ペンF標準の38mm/f1.で代々木公園の花見を撮ったのであるが、撮影したネガの後半のピントが甘く、あれっ変だなと思った記憶があった。この時点でミラーが浮いていたのかもしれない。 外付けAFレンズでの撮影結果と比較してみたい。
実はこのユニークなAFレンズ、後ほど説明することとしたい。
書き始めに万能カメラペンFをベタ誉めするつもりであったが、ミラー接着剤の劣化についての注意喚起となってしまった。ペンFをお持ちの方はチェックされることをお薦めする。

故障したとはいいながら秀逸なカメラには違いがないので話題を元に戻すこととする。

さて、ペンFの優位性とは何だろう。

まず小さいことである。それもただ小さいと云うだけではなく小型カメラに基準であるバルナックライカの感触に相通じる小型カメラである。 手の中に気持ちよく収まる人間工学を考慮したボディである。 バルナック・ライカの良さについては一度ご紹介したのであるが、その精神を受け継ぐ近代カメラはペンFであると云っても言い過ぎではない。これで100年にわたっての修理が保証されればグローバルスタンダードなのであるが、オリンパス社がアナログカメラから撤退したことは実に惜しいことである。
問題点は、当時のプリズムの蒸着技術の未熟さで視野内の汚れが目立つ個体が多いのも残念である。 この問題は同時代の最高機種ニコンFにおいても類似の問題が発生しているので仕方ないとしても、ニコンFの場合はペンタ部を加工してF3のプリズムを移植することが可能である。知人が愛機にこの手術を施して見事に蘇った実例がある。(この数年の実績については不明) ペンFはこの辺りが課題のようである。

さらにペンFの優位性を続けると、

他社の交換レンズを容易に装着出来ること。 フランジバックが短いので補正レンズなしに可能なのである。

・チタン製回転式シャッターにより全速ストロボ同調

なかでも他社のレンズを扱えることが素晴らしい。手動絞りになる不便さはあるものの、プラクチカ(M42)、ニコン、ライカビゾレンズなどを取り付けて撮影を楽しんでいる。
とはいえ、体系的に撮影結果の整理が出来ていないので改めて撮り比べ撮影を楽しんでみるつもりである。

5,6年前にはM42系の望遠ロシアレンズの色々で撮影を楽んだ。600mm,300mmを付けるとハーフサイズのおかげで焦点距離が倍増するので野鳥撮影を楽しむことが出来た。現在でもマウント交換可能なタムロン500mm/f8反射望遠レンズが出番を持っている。ロシアレンズは義弟が持っていったままになっている。まあいいか(汗)

さて、冒頭でご紹介した外付けAFレンズであるが、これは長野の超有名企業コシナ製である。10年ほど前。中古カメラ市で偶然見つけて安く入手したのである。 このレンズを装着することで40年前のペンFが時を超えてAFカメラに変身するのである。 28-75mm/f  と75-200mm/f  の2本が手元にあり一般の撮影領域は十分にカバーしている。撮影結果もクリアな結果をもたらす重宝するレンズである。
このレンズはAFの仕掛けが巧妙であり、望遠ズームはレンズ内部に持つハーフミラーを用いて映像をAFモジュールに導いて合焦しているようである。広角系は別の窓があるのでそこから赤外線を出し合焦するアクチブ式のようである。その仕掛けを未だに完全に理解できていないので、このレンズの詳しい方式をご存じの方は是非ご教示していただきたい。

いずれにしろ色々楽しめるカメラには違いがなく充分楽しめるカメラである。 
さて、ミラーの剥がれは、裏面とボディ側の台を清掃し、エポキシ系接着剤で固着した。これで大丈夫と思うのであるが・・・・
一昼夜置いたカメラのシャッターを切っても問題なく動いているので良しとしよう。

ところで、ライカ・ビゾフレックスレンズの装着にはちょっとしたノウハウが必要である。ビゾ -> M42アダプターが手元にありこれでM42化し、ペンF用M42アダプターで簡単にペンF用レンズとなるのである。 エルマー65mm/f3.5の鮮やかな描写がペンFでも得られるのは大変嬉しいことである。ビゾ -> ニコンアダプターでニコンに着けることが多くなりペンFでの出番が減っているのは残念である。

 久しぶりに写した一連のネガ写真にはピントの甘いものが目立ち、慎重かつ大胆な撮影をしなければいけないと反省する結果になってしまった。デジカメや携帯撮影に慣れてきた悪弊のようである。
 何歳になっても反省ネタには事欠かないのはまだまだ人生修行が足りないのであろう。一写入魂、これを忘れないよう精進したい。(笑)


最後にまたもや脱線、失礼いたしました。 (2008.4.4)







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