BR 9F Eveningstar製作記録

2008.1.9 シリンダー組立


Eveningstarのエンジンは、1/30縮尺の45mmゲージとしては珍しいピストン弁である。蒸気玩具では工作が容易なので棒状のピストン弁が多用されているが使い込むにつれて摩耗による蒸気漏れが増えるので小型のライブスチームではこの問題を起こしにくい平たいスライド弁が一般的である。ところがスライド弁の場合、弁座と弁を鏡面になるように磨く面倒な作業が組立キットにおけるライブスチーム工事の始まりである。 
 Eveningstarは、アスターご自慢の高精度のピストン弁で設計してあると云うことなので、この摺動面の研磨作業を省略でき、いきなり組み立て作業を始めることが出来るようである。
 ということを確かめたくて箱の中からエンジン部品を取り出して並べてみると、久しぶりの小振りエンジン(ボア13mm)である。 ピストン弁という機構を確かめたくなってしまい組み立てに手をつけてしまった。 最も最初の工程ではまだピストン弁は姿を見せず、まずはピストンとシリンダーの組立である。 そうそう、ピストン弁の効用は実物と同じ機構なのでギアの位置が前進後進で実物と同じになることである。(スライド弁ではクロスポートを使わない場合は位置関係が逆になるのである。)



と思ってシリンダーヘッドを取り付けたのが昨晩のこと、 シール剤が固まった今日はピストンを挿入し後部の蓋を先ほど取り付けた。組立が終わったピストンはこの通りである。 シール剤が固まるのに一昼夜かかるので数日後再開するつもりである。



このエンジンブロックの二つの穴にピストン弁の蒸気ポートがはまり、エンジンとして形をなすのである。まだ弁関連の部品を取り出していないのでどのような姿になるのか楽しみである。この二つの小穴の先はシリンダーの前部と後部につながっており、高温高圧の蒸気が弁の動きに合わせて出入りするのである。
シリンダーブロックの下方隅に見える小穴に棒状のドレイン弁を差し込むとこの固まりの組立は終了する。 
C622に始まりD51半流線型に至る近年の一連のアスター製品の複雑なドレイン弁と比べて随分シンプルになっているのであるが、ライブスチームの数十年という寿命を考えるとこの構造がいいのではないかと考える。 複雑な機構を組み立てるという楽しみもあるが、長い年数を経て組立者以外が取り扱うことを考えると機構は単純なものがいいと思うのであるが、他の愛好家の方はどのように考えているのだろうか。



参考までに上の写真がNKP Berkshireのドレイン弁の部品である。この数の部品が9Fでは棒一本に代わっているのであるが、組み立てる楽しみはこちらであろう。 ただし、微小なOリングを使ってあるのが不安材料である。フッ素入りのこの素材の寿命はどの程度と考えるのであろうか? ここまで分解するのは大変なので当面考えたくないのであるが・・・・


これがEveningstarのドレイン弁、左右の僅かな凹みを縫ってシリンダの前後の排出口から凝結水を吐き出す仕組みである。組立はドレインの通り道を横断している小穴に差し込むだけなので簡単である。



さて、ピストン軸の先端には主連棒をつなぐクロスヘッドをねじ込むのであるが、この機関車の場合あらかじめ三本の滑りバーと組み立ててから接続するので、とりあえず滑らかに動くように組み立てておいた。 そろそろロックタイトを探しておこう。
次の作業はこれらの部品の主台枠への取り付けからである。さて、いつになるだろうか?





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