Western Maryland Shay修復記録

2009年09月23日
試運転(Test RUN)


暑くもなく、寒くもないいい気候の休日、気が付いたら運転道具とともに試運転待ちの機関車を設置してい
た。 トラブルが起きてもすぐ修理出来るように運転室も付けないまま二ヶ月近くこの状態で置いていたの
である。気は急いていたがやれないものはやれなかった。



 これはやっと注水が終わり一息ついた状態である。と云うのもまたもや注水系に配管ミス。軸動ポンプの
配管を給排逆にしていた。バイトンゴム管にスプリングコイルを巻いたものなので修復は簡単であるが、
重ね重ねの勘違い、実物であれば大事故である。お恥ずかしい次第だ。



本体を運転コロに乗せ、テンダーは駆動軸を外したまま配管は作法通りつないぐことにした。理由は試走
コロが足りないのである。

この状態で点火して6分、水を多めにしていたので安全弁から勢いよく水が噴き出した。威勢のいい光景
である。 ガス釜は空焚きが心配なのでどうしても多めに水を入れてしまうのである。空釜を焚いて大打撃
を被ったJR東日本のD51のような大恥をかきたくないと思ってしまう。

で、加減弁を開きシリンダー内の油混じりの凝結水を排出したところでバーナーが消えてしまった。ガスバ
ーナーの燃焼音がしなくなっておりどうやらガス切れのようである。Climaxより10cc多い90ccのタンクなの
で長目の注入が必要のようである。
再度注入し再点火すると今度はバーナー口からバイトンゴム管が外れてしまった。どうやら液体のままの
生ガスが送られて想定以上の圧力がかかったためにガス管が跳ね飛んだようである。 管内で液化してく
れるようガスノズルの開口は僅かで良さそうである。 
まあ、このようなトラブルも想定内である。と気を取り直して再々点火した。僅かにノズルを開き燃焼音を
聞きながら更に開いておいた。
これでどうやら燃焼も安定し、安全弁が4kg/cm2で噴いたのでおもむろに加減弁を開くと・・・・。 凝結水を
吹き、ぎこちなさはあるものの無事回転を始めた。 エアでの運転ではスムーズになっていたが蒸気の場
合は高温であちらこちらが膨張しているのか回転にむらがあるように感じる。とくに低速にしようとするとエ
ンジンがストップしてしまう。 配管を含めて一番心配していた軸動ポンプは無事に機能していることを確
認した。テンダー内の水が次第に減っていくのを確認した。水漏れもない。
この機関車のボイラー容量は340ccであってC62に匹敵する容量である。ハンドポンプで給水してもなかな
かボイラーに水が溜まらなかったわけである。スペックを見て気が付いた。テンダーの水タンク容量は
280ccなので一杯半近く必要だったのである。



 運転時の写真は緊張していたのか撮り忘れているが、この写真の状態で20分以上動き続けたと思う。
1984年に世に出されてい30年近い間火を入れられることのなかった機関車にしてはまずまずの結果であ
る。 給水バルブを閉じて軸動ポンプを機能させると停止していたエンジンもしばらく運転していると回転を
落としつつ回るようになってきた。波を打っているような回転も次第に安定してきたようである。ただ加減弁
を絞り低速回転を狙うとむらが出る事象が残っており、もうしばらく慣らし運転を続けて低速でも粘りが出
るようにしたいと考えている。いわゆるエンジンのあたりを付けるのはこれからである。

まずはめでたしめでたしというところである。

この先艤装組立を頑張って本物らしく仕上げていこうと考えた試運転である。 





トップへ
戻る
前へ
次へ