Western Maryland Shay修復記録

2009年07月20日
ボイラー掃除 


7月15日 ボイラーに触る

 さすがに今日の暑さでは暖房完備の工場に籠もる元気は出てこない。 昼間、本
を取りに行き温度計を見ると閉め切った部屋は38度である。、一日前は、「心頭を
滅却すれば火もまた涼し」と粋がることの出来た33度であったのであるが、今日の
環境では部屋の中で熱中症にもなりかねない。君子危うきに近寄らずである。(苦
笑)

さて、昨日の成果であるが、ボイラーや部品に白くまとわりついたシール剤はがしで
あった。 「何でこんなに使ったの」と愚痴を言いながらこれも再生作業の一つである
と頑張ったので大物であるボイラーを除きまずますの部品にすることが出来た。
ただ、水面計の水漏れ防止パッキンゴムにクラックが入り使用不能になっていたた
め、この代替え品を探さなければならない。 最近の製品のようにOリングを使って
みようと思っているが、5mm径硝子に使えるサイズが入手できるのか気懸かりであ
る。



ボイラー本体に残るシール剤は外ボイラーで隠れるのでそのままでいいだろうと思っ
ていたのであるが、やはり汚い。仲間のくりさんから「ルーターのブラシを使うと楽だ」
とヒントを頂戴したので後日トライすることにした。 大空転を引き起こしていた 
Duchess 動輪のクロームメッキを剥がすためにルーターを入手したことを暑さで忘
れてしまっていたようである。 折角の珍しい型式のボイラーなので綺麗にしてから
使うことにした。

ここでこの機関車のボイラーをご紹介したい。
シール剤とファイバー板で巻かれていたボイラーを手作業で上の状態まで清掃した
ものの暑さで力尽きた今日である。
それはさておき、一般的には円筒が普通である45mmゲージボイラーの中で先端を
絞ってあるスタイルは珍しい部類に入るのではないだろうか。



 ボイラ前鏡板である。大煙管1本、小煙管4本、加減弁用穴が見える。大煙管には
ヘアピン状の過熱管を挿入する。 一見するとロコボイラーではないかと思われてし
まう型式であるが、後ろから見るとご覧の通りである。



運転席側は中央の特大煙管一本のみであり、船舶用のセンターフリュー型である。
 中央の煙管の途中から小煙管を入れてあり、ボイラー製作には手間のかかる構
造である。 本格的なSHAY型であるこの機種に力を入れていたことが分かる高級
仕様である。 ちなみに 我が家のClimaxでは単純な煙管一本の型式である。 こ
の機種の場合は途中で燃焼路が絞られているので効率よく燃焼するか気懸かりで
であるが、試してみるほかなさそうである。 
上部の穴は加減弁用、左上は注水弁用でである。 左下にもともと折損した真鍮ネ
ジが入ったままになっていたが、無事除去することが出来た。 そうそう、このボイラ
ーの燃料は、ブタンガスであり、大きな煙管内にガスバーナーが入るのである。 燃
焼時はガス圧力で排気が押し出されるというのでアルコール釜に必須の通風弁は
付属していない。

いずれにしろボイラー外板や部品を新品同様に戻した上で再組立に入ろうと考えて
いる。 細かい部品の分解清掃と組立がこの先も並行して続きそうである。


8/20 ボイラー清掃
ルータで磨いたらきれいにシール剤をはぎ取ることが出来た。機械化は楽すること
である。(笑)



ボイラーと共に清掃途中の部品を並べて見た。いずれもたっぷり使ってあったシー
ル剤除去が殆どの仕事になる。
長い太目の管が加減弁、白いU字管が過熱管である。 まだ安全弁や蒸気分配箱
を出していなかった。

外ボイラーの擦り傷にはエナメルを吹いておいた。耐熱ではないが、微小な傷なの
でこれで誤魔化すことにした。



これはオリジナルな配管修正前の外ボイラーである。変にくねってしまっているので
あるが、どうしてこうなったのだろうか?

その他取り組んだこととしては、

 ・注水弁の組立。ボールベアリングの再セット。
 ・ぐらついていたダミーのインジェクターの固定
 ・煙室内にセラミックシート貼付
 ・後日配管に使う2mm径真鍮線の黒艶消し塗装

これで内外ボイラーの組立に着手可能となった。


これからの作業予定

 ・外ボイラー加工
 ・煙室組立
 ・内ボイラ組立
 ・水圧orエアでの内ボイラー漏れ試験
 ・内外ボイラー結合
 ・ボイラーへの煙室装着と主台枠への取り付け
 ・エンジン装着と作動試験及びエアによる慣らし運転
 ・駆動台車結合と慣らし運転
 ・燃焼系清掃と装着
 ・燃焼による試運転、給水機能チェック
 ・コロ上での慣らし運転
 ・全体艤装工事
 ・線路上での総合試験

と云う手順を考えているものの果たしてこの通り進むのやら心配である。 





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